あのSF映画が現実に? iPadどう使う

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   このところ、友人、知人との間で必ず話題になるのが、iPad。

   何に使うのか、電子書籍は主流になるのかなど、話のタネは尽きません。

   4月のアメリカでの発売直後に、現地でいち早く触ってきたIT関係者が、当時を振り返ってこう語ります。

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アメリカ人もまだ悩んでいる

「いきなりデカくなったiPhone、って感じがした。一緒にいたアメリカ人は『スタートレックで、ミスター・スポックがこんなの持ってなかったっけ』って言ってた(笑)」

   たしかに、SF映画が現実になった、という良いワクワク感は、かなりあります。

「で、何に使う?となってね。リビングでゲーム、ベッドルームでメール、カフェで電子書籍などなど出てきて、最後に別のアメリカ人IT関係者が、『オフィスに飾るフォトフレーム!』って(笑)」

   そんなのソニーが出してんじゃん、と最後は笑い話になったそうですが、当のアメリカ人ですら、使い方があまり想像できない様子がうかがい知れます。

   とはいえ、発売して1カ月足らずで100万台に達したと聞くと、これから主流になっていく気配もあります。

   ITやネット関係のマシンやコンテンツは、ユーザーが開発者も想定していなかった使い方を考え出し、流行ったり定着していったという歴史もあります。

「100万という数字は、アメリカにいる弁護士の数と同じなんだよね」

   そう話すのは、別のIT関係者。

ケータイ王国・日本でも流行るのか

「3億人いる中での100万台。これからどうなるかはわからないけど、まだ、余裕のある上流の人たちが買ってる段階なんじゃない?」

   要するに、まだ大人のガジェットという段階で、本格的に流行るのは、もっと値段がこなれて、アプリも揃って、トンガった若い連中が使いだしてからではないか、ということです。

「そもそも、アメリカって本屋があまりないし、国土が広くて電話による通販が盛んだった国。テレビやラジオの難視聴エリアも多いし、ネットは欠かせない生活・情報インフラとしての意味合いが大きい。そんな中でのiPadだから、ケータイが異常に発達してる日本と使い方をそのまま比べることはできないよ」

   さらに別のIT関係者は、

「ネットにリアルタイムでつながってこそ、iPadの威力が発揮されるのでは? ユビキタス環境が整っていない中で、通信キャリアを1社に固定してしまうのはもったいないし、ユーザーの知恵を縛ることになる」

   と危惧を表明します。

   とはいえ、そうこうしているうちに発売2カ月で200万台を突破し、iPhoneを上回るペースで売れているようです。

   これからiPadをはじめとするタブレット型コンピュータ、あるいは電子ペーパーを利用した機器がどのように進化していくのか。

   ユーザーは、どんなコンテンツや使い方を考えだしていくのか。

   楽しみですね。

井上トシユキ


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井上トシユキ
1964年、京都市出身。同志社大学文学部卒業(1989)。会社員を経て、1998年よりジャーナリスト、ライター。東海テレビ「ぴーかんテレビ」金曜日コメンテーター。著書は「カネと野望のインターネット10年史 IT革命の裏を紐解く」(扶桑社新書)、「2ちゃんねる宣言 挑発するメディア」(文藝春秋)など。
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