市役所職員のヒゲはだめですか

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   群馬県伊勢崎市が、男性職員がヒゲを生やす行為を「不快に思う市民もいる」として禁止したことが話題を呼んだ。そこで、ライブドアブログをはじめとするネットユーザーに「市役所職員の『ヒゲ』だめですか?」と尋ねたところ、3日間で170件の回答が寄せられた。

「ヒゲをはやしてると、エラそう」

   年齢層が若いネットユーザーは、個人のスタイルを尊重する人が多いと思いきや、意外にも「ヒゲを生やすのはよくない」という反対派が多くを占めた。その理由は「公務員だから」「一種のサービス業だから」という意見だ。

「給料を税金からもらっている以上、それなりの格好をしてもらいたい」(ハナウタ)

   ただ、税金で仕事をしているという理由だけで、ヒゲの自由を奪われるのには飛躍がある気もする。ヒゲと公務員は、特に相性が悪いのかもしれない。

「ヒゲをはやしてると、なにかえらそうに私は見えますね」(タクシードライバー)
「不快で不潔な気持ちを抱かせるヒゲがいけないのは当然のことです。ヒゲを生やしたかったら、仕事変えるんだね」(私的流行通信・偏向版)

   公務員という仕事と、ヒゲに対する「エラそう」「コワい」などのイメージが合体することで、抵抗感を強化するようだ。一方で、ヒゲを許容してもよいというコメントもある。

「見た目が普通でも仕事してない職員なんていっぱいいるじゃない。それならさ、ヒゲあっても誠実な対応をしてくれる人のほうが、税金払ってる甲斐があるんじゃなかろうか」(そして僕はブログする。)

   ただし許容派でも、清潔感を条件にする人がほとんど。「無精ヒゲ」「仙人みたいな長いヒゲ」はNGだ。とはいえ、主観的であいまいな判断になりかねないので、市役所などでは一律で「ヒゲ禁止」としているのだろう。

公務員以外でも「ヒゲ禁止」の流れ

   実は「ヒゲ禁止」は、最近では公務員以外の世界にも及んでいる。プロ野球の東北楽天ゴールデンイーグルスは、2010年のキャンプ時に「選手行動基準」を作成し、身だしなみの徹底として、

「ひげ、茶髪、ピアスの禁止。移動中のスーツの着用」

を明記している。しかし、厳しすぎるルールは各選手のキャラクターを薄めるおそれもある。

   また、ソフトバンクグループでは、ドレスコード(服装規程)を強化し、「無精ヒゲ禁止」を徹底。10年4月1日号の『週刊文春』には、

「デザインヒゲを生やしていた上司も剃ってきていました」

というグループ会社社員のコメントが掲載されている。きちんとトリミングされて清潔感があってもダメというのは、少し行き過ぎではないか。

   IT企業を中心にヒゲを含めた服装の基準をカジュアル化したことは、形式主義を排除して自由な発想を促す点で歓迎する声も多かったはず。他人に多少不快感を与えたとしても個人のスタイルに寛容になろうという考え方には、今後揺り戻しがくるのだろうか。

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