稼げる人が誰でも持っている「経営者の視点」

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「これだけ頑張っているのに、会社はちっとも評価してくれない」

   そんなふうに苛立っている人はいませんか。しかも、同じ環境で同じような仕事をしているのに、高い評価を受けて役割も評価も上げている同僚がいれば、不満も高まります。

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他人を「社畜」と批判しても自分の評価は上がらない

「あいつは上司に好かれているから」

   同僚が評価される理由を、こう考えるかもしれません。実はこの認識は、ある意味で正しいともいえます。というのも、上司に好かれる理由にこそ、稼げる人と稼げない人の違いがあるからです。

   好かれる好かれないは、単に大学の先輩後輩であるとか、ゴマすりがうまいとかだけが理由ではありません。私が管理職層にインタビューして明らかになったのは、できる上司は、部下が「仕事の視点をどこに置いているか」に敏感であるということです。

   例えば、日々の仕事をする上で、「自分の今月の売り上げ達成」を念頭に置くか、それとも「チームの半年後の高い業績」をも考えているかによって、取り組む仕事の優先順位や発言が大きく変わってきます。

   目先の自分の売り上げだけに夢中になると、来月、再来月の仕事に対する関心が希薄になり、同僚へのサポートも億劫に感じることでしょう。一方、「チームの半年後の高い業績」に目がいけば、自己の成長とともに、後輩社員の成長に意識が及ぶでしょうし、新しいビジネスチャンスを考えて実行したくなるかもしれません。

   言い換えれば、現時点で同じような業績を上げていても、「経営者の視点」を持っているか否かによって、上司の評価は大きく変わるものなのです。

   いま、若い人たちの間で、「仕事は会社に言われたことだけやる」「決まった時間だけ働けば、決まった給料をもらえて当然」という人が増えているそうです。しかし、

「経営者の視点なんて持つのは、“社畜”か“奴隷”だ」

などと言って、いかに楽をしつつ給与や休暇の権利を主張するか、とばかり考えていても、残念ながら結果はまったく逆になります。

上司は意識の高い人に「任せたい」と考える

   私が数多くインタビューした若手ビジネスパーソンで、将来を嘱望されて高い評価を得ている人は、経営者の視点をもって仕事に取り組んでいました。

「この会社が成長し続けるために、何が必要なのか」
「自分がやらねばならないことは、何なのか」

   意識や目標を高く持ち、将来を見る視点を持った人に、会社は「この人に仕事や役職を任せたい」と思うのです。そもそも、仕事の裁量を大きく与えられた人と、裁量がほとんどない人の、どちらが“奴隷”なのでしょうか。

   もちろん、発言だけが壮大でも仕方ないのは言うまでもありません。日々の仕事で地道に継続することが大事です。しかし、同じような仕事ぶりであれば、あるいは現時点で多少結果が伴わなくても、将来を見据えた視点の人が高い評価を受けるかもしれません。

   それは、会社の目的は安定的、継続的な成長であるからなのです。自分だけの権利を主張する人にとってはギャップと感じるのかもしれませんが、高い評価を受ける人にとっては、当たり前のこと。

   仕事に忙殺されると目先のことしか考えられない、考えたくない瞬間もあります。それでも高い視点を忘れないようにすることで、稼げる人の側に入ることができます。せっかく頑張るなら損をしないように、経営者の視点を持てるよう意識しましょう。

高城幸司

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*2010年3月、『トップ営業のフレームワーク―売るための行動パターンと仕組み化・習慣化』が東洋経済新報社より発行されました。
高城幸司(たかぎ・こうじ)
1964年生まれ。リクルートに入社し、通信・ネット関連の営業で6年間トップセールス賞を受賞。その後、日本初の独立起業専門誌「アントレ」を創刊、編集長を務める。2005年に「マネジメント強化を支援する企業」セレブレインの代表取締役社長に就任。近著に『ダメ部下を再生させる上司の技術』(マガジンハウス)、『稼げる人、稼げない人』(PHP新書)。
「高城幸司の社長ブログ」
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