帝国データバンクが約130万社へ聞き取り調査した「社長(代表者)の趣味」を集計したところ、もっとも多かった回答は「ゴルフ」だという。
資金繰りのためにゴルフ会員権売却
ゴルフと答えた社長は28.4%。09年と比べて6.3ポイント減少しているものの、2位の「読書」(8.2%)に20ポイント以上の大差をつけて、ダントツのトップであることには変わりない。
ゴルフ減少の背景には、会社の資金繰りのためにゴルフ会員権を売却したことや、休日の接待ゴルフが減ったことなどが関係しているようだ。ゴルフといっても会社や仕事がらみのプレーであり、胸を張って「個人の趣味」といえる人は意外と少ないのではないか。
また、「読書」を趣味と呼べるかどうかは別として、回答者が1割にも満たないのは、知識と教養が求められる社長としては心もとない。
3位は「釣り」(4.7%)、4位は「旅行」(4.0%)。「ドライブ」や「音楽鑑賞」といった個人的な趣味を挙げる人は1%台だ。調査が複数回答であることを踏まえると、「趣味=特になし」と答えた社長が相当数いたと推測される。圧倒的多数派は、実は「無趣味層」の可能性もある。
日本マクドナルドの原田泳幸会長は、ジャズドラムの演奏が趣味というのは有名。10代からのキャリアで、年に数回はライブにも出演するという。前職のアップルコンピューター(現アップル)時代から、平日の午後6時以降と土日には会議のスケジュールを入れない。社員には「個人の幸せや家族を大切にして欲しい」という考えからだ。
趣味は、誰もが必ず持たなければならないわけではない。しかし、社長が趣味を持っていれば、社員たちに無駄な仕事を強いていないか、趣味ができないほどの長時間労働で疲弊していないか、気を配ってくれる可能性が高まるかもしれない。