以前のコラムで、「iPhoneは、ちょっとありえないかな」という女の子の話を書きましたが、
「私は、発売当初からバリバリのiPhoneユーザーなんですよ」
というのは、某IT系企業に務める30代の女性です。
他人の指紋ベッタリの画面なんてムリ
利用しているアプリは20種類以上、なかには名前が思い出せず、検索できないアプリもあるという文字どおりのヘビーユーザー。
ただ、iPhoneが流行るにつれ、我慢できないことが出てきたといいます。
それは、画面に付着する指紋。
「液晶画面が指紋でベタベタになってるのって、よく見かけません? 外国の人に多いんですけど、日本人でも気にかけない人が意外に多くて」
仕事柄、外国人と接することが多々あり、皮脂ベッタリのiPhoneやスマートフォンを見せられるたび、背筋がゾッとするのだとか。
「いやぁ、もう、画像のアルバムを見せられる時が典型ですけど、ホラって渡された時なんて、どうしようかって真面目に考えちゃうんです。他人の指紋ベッタリの画面を、自分の指先で操作するのが耐えられない。
ATMだって実は同じことなんだし、潔癖すぎると言われたら、そうなのかもしれませんけど、ちょっと我慢できないんですよねぇ」
ケータイでも夏場などは、通話後に汗や皮脂が付いていることはありますが、他人に使わせることはごく稀なこと。
しかし、iPhoneやスマートフォンは、他人に手渡したり見せたりする機会も少なくありません。
海外市場でも売りにならないか
あるとき、外国の人に予備で持っていた画面に貼るシートをあげたところ、ポカン顔で「これは何のために使うの?」と訊ねてきたそうです。
「画面に貼って保護するのだ、と教えたんですけどね。指紋ベタベタの画面に直接貼っちゃって、すぐにはがれちゃう。そこで、皮脂を拭いてから貼るんだよって言ったら、シートにも皮脂は付くんだから同じじゃないか、って外人ならではの反論をされちゃって」
覗き見防止のためもあると説明したら、画面が見づらくなるだけだ、僕はやましいことはない、と真顔で言われてしまう始末。
「皮脂が付着しない素材の開発、それが無理なら目立たなくするコーティングをしておくとかって、できないんですかねぇ?」
これは、ガラパゴス化している国内市場だけでなく、海外市場でも意外な売りのポイントになるかもしれませんよ。
井上トシユキ