「日本のケータイは、いろいろ機能があって面白いですね」
在日2年目、都内のある団体で働く20代の中国人女性が言いました。
カメラにワンセグ・・・豊富な機能に驚き
中国は、すでに7億件を超える契約があると報じられる「ケータイ大国」。いまさら、珍しいものでもないのでは?
「日本と違って中国のケータイは、通信キャリアと端末販売が別の会社になっています。ユーザーは、それぞれの用途や懐事情にあわせて、安いものや高機能な高級品を選ぶんです」
高級品になると、1台の値段が月収の2倍以上というものもあり、若い人たちは通話とショートメールのみの安い端末を使うことが多いのだとか。
日本の端末は、中国ほど価格差がなく、機能もほぼ同じ。長期の滞在が前提だったこと、来日時にはすでに日本語がペラペラだったことから、仕事上の利便性を考えて日本のケータイを買ったのだそうです。
本国との連絡は、もっぱらIP電話やPCメールを利用しています。
「中国では、ケータイやデジカメ、ノートパソコンは別々に持つのが一般的。日本のケータイには、カメラもPCサイトの閲覧機能もあって、最初は驚きました。なかでもワンセグは便利で良いですよね」
昨年の北京オリンピック、先日の冬季オリンピックも、昼休みや休憩時間にワンセグで見入ったそうです。
「真面目に日本語や日本文化を勉強している知り合いのなかには、お昼のドラマをワンセグで視て、話し言葉やダイアレクト(方言)、若者言葉を学んでいる人もいるんですよ(笑)」
日本のドラマは、日本語がわかってくると、とても面白いらしく、ハマる中国人も結構いるのだそう。
日頃、世界標準から外れた「ガラパゴス化」の象徴として揶揄されることも多い日本のケータイ(略して「ガラケー」)ですが、意外なところで日中交流の橋渡しもしているようです。
井上トシユキ