日本生産性本部は2010年4月22日、「能力・仕事別賃金実態調査(2009年)」の中で、等級別・企業規模別の平均月例賃金額(時間外手当を除く)を発表した。回答社数は693社。
大企業だけが「景気回復の恩恵」受けているのか
それによると、大企業(従業員1000人以上)の課長相当の平均月例賃金額は52.8万円。小企業(同100人未満)の部長相当の50.5万円を上回った。前回の調査では5000円差で小企業の部長が上回っており、今回逆転現象が起きたことになる。
大・小企業間の格差は、部長相当では18.9万円、課長相当では14.0万円で、前回より拡大している。課長相当では、大企業では前回より賃金が増加しているのに対し、小企業では依然として減少している。
この理由は、ここ数年で集中的に行われたリストラによって、大企業の管理職の職責がより重くなっているためだろうか。それとも、大企業だけが景気回復の恩恵を受けているのだろうか。
一方、一般職・大卒初任給クラスでは、大・小企業間の格差が急速に縮小し、1万円を切っている。経験の浅い「ヒラ社員レベル」であれば、大企業でも中小企業でも給料の違いはほとんどないといえそうだ。