パイロット「憧れの職業」 人気トップテンから陥落

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   第一生命は、毎年恒例の「大人になったらなりたいもの」の調査結果を発表した。調査対象は、全国の未就学児と小学生約14万人。それによると、人気職業のトップは、男子では6年連続で「野球選手」で、「警察官・刑事」や「学校の先生」といった公務員系が順位を上げた。

米国では年収200万円のケースも

パイロットは多くの人命を預かる責任の重い仕事だ
パイロットは多くの人命を預かる責任の重い仕事だ

   一方、順位を下げたのは「パイロット」。89年から92年まで連続して5位を獲得し、この10年でもトップ10に6度顔を出していたが、今回は3年ぶりにトップ10から外れた。ただ、クラレが10年4月に発表した新小学1年生を対象にしたアンケートでは、男子の「就きたい職業」9位、親の「就かせたい職業」8位を獲得しており、人気は根強い。

   パイロットという職業は、なぜそんなに人気なのか。その理由は「給与の高さ」にあるようだ。「年収ラボ」が有価証券報告書を基に算出したところ、ANAのパイロットの平均年収は2199万円。JALでも1964万円だという。

   また、文春新書の『JAL崩壊』には、パイロットの基本年収は機長クラスで3千万円近くになり、生涯収入も9億円に上ると書かれている。これが本当なら、弁護士や開業医を超える収入が得られる夢の職業ということになる。

   ただし、すべてのパイロットが高給とは限らない。新規参入航空会社のスカイマークでは、パイロットの平均年収は619万円どまり(年収ラボ)。マイケル・ムーア監督の映画「キャピタリズム」には、年収2万ドル(200万円未満)で過密なスケジュールを強いられる米国航空会社のパイロットが登場していた。

   現在進んでいるJALのリストラ策では、これまで「聖域」とされてきたパイロットも早期退職制度の対象に加えると報じられている。人気の理由はお金だけではないだろうが、航空会社間の国際的な競争が激しくなるにつれて、パイロットの順位はさらに下がるかもしれない。

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