年次有給休暇「取得目標70%」  実現可能か低すぎるのか

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   2010年4月19日に内閣府で開かれた会議で、20年までに年次有給休暇の取得率を70%に引き上げる目標を決定したと報じられた。08年の平均取得率から20%あまりの上乗せが必要だ。果たして実現可能なのか、それとも目標とするには低すぎる値なのか。

「10年かけてこの程度、やる気ないんだ」

年休取得率向上には小さな改善ではなく抜本的な変更が必要
年休取得率向上には小さな改善ではなく抜本的な変更が必要

   目標値を決めたのは、労働界と産業界、政府が緊急雇用対策について話し合う「雇用戦略対話」の作業部会。このニュースが報じられると、ネット上には疑問の声が一斉に挙がった。目標値が70%どまりであることについて、

「労働者の当然の権利なのに、なぜ100%じゃないの?」
「こんな目標作ったら70%以上休み取りづらくなるじゃん」
「10年かけてこの程度なんて、やる気のない証拠」

など、低すぎるというコメントが見られた。一方で、08年の年休平均取得率47.4%を指して、

「半分も取得してる人いるんだ。うらやましい・・・」
「俺有給ある会社で働いたことないよ」

など、現状でほとんど休めていないというコメントもあった。こういう人の存在を考えると、7割取得はハードルが高いと感じる人もいるだろう。

   また、この目標が6月の政府の新成長戦略に盛り込まれ、取得率の向上により「消費を刺激する効果」が期待されていることについては、「消費不足の原因は休暇不足じゃなくて資金不足だから」「銭もねえのに家で寝るだけじゃん」と、施策の効果を疑問視する声も挙がっている。

財務省は「平日デート」の提案受け流す

   有給休暇の取得促進といえば、菅直人副総理兼財務相が10年1月19日に「平日にデートができる財務省」と発言して話題となった。ネット上では、

「(デートは)休日にやれ。アホか」
「今がどういうときか、まったく見えていないようだ」
「世間知らずの二代目社長が就任直後に言いそうな台詞だな」
「親分が、おまえら仕事しなくていいってさ」

など散々の評価だった。この怒りが届いたのか、10年4月19日に発表された『財務省が変わるための50の提言』では、「政治主導の下での役人の在り方」として、

「財務省職員たる者、『平日にデートも家族サービスもするが、いざとなれば、寝食を忘れてやる』といった高い志を持ち続けなければならない」

という表現にとどめ、大臣の提案を受け流した格好となった。

   逆に、役人が明け方まで仕事をしている原因は、国会議員が夜遅くなってから答弁の準備作業を指示するのが原因であるとして、「通告期限の徹底、通告の書面化」などを大臣側に注文する形となっている。要するに、

「私たちが深夜労働や休日労働をせざるをえないのは、あなた方が夜遅くなってから仕事を命じるから。“平日デート”とかノンキなこと言う前に、ルールはちゃんと守ってくださいね」

というのが本音。民間企業にも通ずるところがありそうだ。

年休取得率70%、目標高すぎる?
高すぎる
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