【世界一蹴】海外に出よう!世界にはライバルがたくさんいる

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   “人生の休暇”を1年もらって世界を旅するアシシです。サッカー南アフリカW杯開幕まで、あと72日。出場32か国への訪問は、3月に入ってから旅のパートナーであるヨモケンと手分けをして踏破し、残るは北アフリカのアルジェリア1国だけとなった。そこで今回は、旅全体に関わることについて書いてみようと思う。

>>「世界一蹴の旅 ~ワールドカップ出場32ヶ国周遊~」・記事一覧

ドイツW杯を観戦するために考えた「方便」

米メジャーリーグサッカーのネルソン・ロドリゲス氏(左)「サッカーはビジネスだ。日本は競技としてのサッカーにパワーを割きすぎている」
米メジャーリーグサッカーのネルソン・ロドリゲス氏(左)「サッカーはビジネスだ。日本は競技としてのサッカーにパワーを割きすぎている」

   世界を旅していて感じるのは、主要都市のインターネット環境が格段によくなっているということだ。世界中どこでもブログを更新できるし、撮った写真をその場で公表できる。気の休まる暇は減ったが、おかげで多くの人たちと知り合い、助けを得ることができた。

   ここ数カ月は、日本のツイッター利用者が増えた。日本のニュースや知人の異動をツイッターで知ることが多くなったし、取材依頼を受けることもある。最近目につくのは「日本が国際的に開かれた国にならないと、これまでのような豊かな社会を維持していくことができない」という書き込みだ。

   僕は、そんなに大きなことを考えているわけではないが、日本人の働き方は変わっていいと思う。自由になる時間を自分で作り出し、例えば半年は仕事をして半年は遊んで暮らすような「自遊人」のライフスタイルを続けたいし、その魅力を広めていきたい。

   思い起こせば2006年。僕は当時在籍していたコンサルティング会社で、上司に3か月の「自己都合休職」を申請した。表向きは「MBA(経営学修士)の資格を取るために、カナダでGMAT(ビジネススクールの入学適性試験)対策をしたい」というものだったが、本当はその年のドイツW杯をどうしても観戦したかったのだ。

   でも、正面から申し出て認めてもらえる状況ではなかった。結局、4週間のサッカー観戦を満喫し、残りの期間で英語の勉強をして上司との約束を果たした。しかし、留学先のバンクーバーのリベラルな雰囲気にすっかり感化された僕は結局、退社してフリーのコンサルタントとして「自遊人」のキャリアをスタートさせたのだった。

   世界を回っていると、ときどき「旅費はどうしているんですか」と聞かれることがある。もちろん、旅立ち前に蓄えた貯金でやりくりしているのだが、出費の面では様々な工夫を凝らしている。

目を疑う「格安航空券」のしかけはこうなっている

ポルトガルで活躍する元浦和レッズの相馬崇人選手。ラテンの国で勝負する秘訣は「全ては自己主張できるか否か、それが分かれ道」
ポルトガルで活躍する元浦和レッズの相馬崇人選手。ラテンの国で勝負する秘訣は「全ては自己主張できるか否か、それが分かれ道」

   実は、この旅行の鍵となっているのは「世界一周航空券」の存在だ。さまざまな国を回って出発地に戻ってくる格安パッケージ商品で、われわれはロンドンを出発地とした「ワンワールド」の東回りのチケットを買った。サーチャージ・空港税込みで16路線、約2,300ポンド。日本円にして1路線あたり2万円ちょっとで済む。

   このチケットを使って、南半球のクリスマスやリオのカーニバル、バンクーバー五輪を楽しむことができた。それ以外の国に行く場合にも、ローコストキャリア(LCC)のチケットを探して最安の方法を考えた。

   例えば、北京→ベルリンの長距離路線は、エア・ベルリンの47,000円。欧州を西から東へまたいだマドリード→ブダペストの中距離路線は、ウィズ・エアーの8,800円。東南アジアの近距離路線シンガポール→クアラルンプールは、タイガー・エアウェイズで破格の1,600円。全て燃油サーチャージ・空港税込みの価格だ。

   その代わりLCCは、航空券を安くするために様々な工夫を行っている。マレーシアで経験したのは、往路便が到着して次の復路便が離陸するまで、35分しかなかったケース。短時間で機内清掃(10分ほど)、往路便の乗客と荷物降ろし、復路便の乗客搭乗と荷積みを行った。そのスピード感たるや、半端なものではない。

   また、機内の食事や飲み物、機内に持ち込めない荷物の運搬、希望する席の予約など、付随するサービスには別途お金が掛かる仕組みになっている。映画を見るにもイヤホンのレンタルに約800円が必要だった。こういう価格体系を見て、みなさんはどういう感想を持つだろうか。なんでもカネを取るケチと感じる人もいるかもしれないが、僕は顧客に選択肢を与えるという観点で、とても評価できると思う。

   世界には、今までの前提を覆すようなビジネスモデルを展開する企業がたくさん存在する。それを実感し危機感を抱くだけでも、海外に出る意義がある。

   先日ポルトガル一部リーグ、CSマリティモでプレーする相馬崇人選手に現地で会って話をしたが、彼は「日本人サッカー選手はもっと海外に挑戦すべきだ」と持論を展開してくれた。閉じられた囲いの中では見えないものがある。開かれた世界に自分を置くことで「自分の位置」を俯瞰することができる。そこで初めて、世界のライバルと戦えるスタート地点に立つことができるのではないだろうか。

アシシ@セルビア

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時間とお金と体力があれば海外を旅してみたい?
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不安だけどしてみたい
特に海外には・・・
サッカー日本代表が出場する国際大会に毎年参加するコアサポーター(写真左)。本名、村上敦伺(あつし)。1977年生まれ、札幌市出身。職業はフリーランスの経営コンサルタント。元同僚の四方健太郎(写真右)とともにサッカー南アW杯出場32か国を2年間かけて訪問し、『世界一蹴の旅』(双葉社刊)を上梓。「半年仕事・半年旅人」のライフスタイルを2006年から継続中。ツイッター @4JPN
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