毎年恒例の「大学生の就職人気ランキング」が発表された。世相を反映してトヨタや日本航空がランクを大きく下げ、安定志向が進んでいるが、「現時点の安定性だけで判断するのは危ない」という声も聞かれる。
文系の「JTB、資生堂、全日空」人気は変わらず
就職・転職情報サービスの毎日コミュニケーションズは2010年3月10日、11年春卒業予定の大学生の「就職人気ランキング」を発表した。調査期間は、09年10月1日から10年2月1日まで。
それによると、文系の1位は昨年に引き続きJTBグループ。地域別・事業別にグループ各社が募集を行っており、学生の「地元志向」を反映しているのかもしれない。文系のトップ3(JTB、資生堂、全日空)は3年連続で変わらず、次いでオリエンタルランド、三菱UFJ銀行と続いた。
理系の1位は味の素で、昨年5位から上昇。世界22か国でグローバル展開をしていることや、業界上位で安定していることなどが支持されたようだ。2位はパナソニックで、理系男子の1位は初。3位以降はカゴメ、資生堂、ソニーと続いた。
明治製菓は、文系30位、理系22位から、ともに6位に急上昇した。このほか、理系では8位と9位にJR東日本とJR東海がランクインするなど、「不況時には食品とインフラが人気」という説を裏付ける結果となっている。
一方、昨年は理系7位だったトヨタ自動車が13位に落ち、14年ぶりのトップテン外となった。また、日本航空が文系5位から急落したものの、40位に残っている。ネット上には、
「株と一緒で、底値で買って待つんだよ。トヨタには本来入れないやつがトヨタに入れるチャンス」
「去年JALの順位が5位ってw 学生は先を見る目がなさ杉」
「逆張りしたくなるアンケート」
など、現時点での安定性を追求すると、将来は下り坂になるおそれがあると指摘する声が相次いだ。