東京都内を中心にタクシー・ハイヤー事業を展開するハロー・トーキョーは、自社ドライバーを対象とした「花粉症通院休暇」を導入している。本格的な花粉症の季節の到来で、担当部署には問い合わせが増えているようだ。
能率が低下しない治療受けさせるねらい
春は花粉症患者にとって、くしゃみや鼻水などの症状に悩まされる季節。花粉症の治療薬の中には、集中力の低下や眠気を引き起こすものもある。一方、タクシー会社にとって、安全運行の確保は最重要課題だ。
そこで同社では、花粉症治療で通院するドライバーに対し、初回通院分の5時間を「花粉症通院休暇」として有給休暇を認めることとした。ハロー・トーキョーのドライバーには、月11回、1回あたり20時間の乗務が定められているので、今回の有給休暇は0.25回分の乗務に当たる。
これによりドライバーに早期に適切な治療を受けさせ、業務に影響の少ない薬を処方してもらうことを促す。今年は花粉の飛散量が例年に比べ少なく、雨天の影響もあって申請者が少なかったが、3月に入ってドライバーからの問い合わせが急増しているという。
このほか、花粉除去にも効果があるウイルスウォッシャー機能搭載の空気清浄機を全車に導入し、ドライバーと乗客両者に快適な車内環境を提供しているという。
この取り組みは、同社が賛同する「インペアード・パフォーマンス ゼロプロジェクト」の一環。インペアード・パフォーマンスとは、花粉症の治療で抗ヒスタミン薬を服用することにより、本人が自覚しないままに集中力や判断力、作業能率が低下した状態のことを指す。同社は説明用のカードを車内において、啓発を進めていくという。