孫社長のトップ営業効果アリ? 東国原知事がツイッター開始

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   宮崎県知事の東国原知事は、自ら宣伝マンとして県を売り込む「トップセールス」の活動で知られる。その知事が先日ツイッターを開始したが、ウラにはソフトバンクの孫社長による「トップセールス」があったようだ。

社長の手紙とアイフォーンを社員が持参

開始3日目にアイフォーンを一時紛失。その後発見された
開始3日目にアイフォーンを一時紛失。その後発見された

   元お笑いタレントの知名度を生かし、テレビ番組で地元名産品などのPRをする東国原知事。組織のトップ自ら売り込みに走るトップセールスを実践する一人だ。一時は9割に迫るといわれた高い支持率も、そんな働きぶりが評価されたのだろう。

   知事は2010年2月15日、ツイッターで「初つぶやき!」と書き込んだ。フォロワーは、あっという間に3万を超えたが、中には「ホンモノ?」と疑う声もあった。これに対し、

「ソフトバンクの孫社長から提案があって、iPhoneの提供を受けた。感謝申し上げたい。併せて、ついったーを薦められ、始めた。まだ、慣れないので、文字を打つのに時間が掛かる」

と、たどたどしく書き込んで、始めたきっかけを披露している。知事のブログ「そのまんま日記」によると、ソフトバンクの社員が孫社長の手紙とアイフォーンを県庁に持参したという。社内会議で社長から直々に提案があったようだ。

   孫社長自身も16日、ツイッター上で知事に向けて、

「東国原知事、ホークスの宮崎キャンプお世話になっています」
「東国原知事、twitterは心のつぶやきを繋げるコミュニケーション革命です」
「東国原知事、この感動は、体感した人々のみが理解出来るものです。気楽に参加してみられる事をお勧めします」

と矢継ぎ早に呼びかけた。この書き込みは、13万人以上の孫氏のフォロワーにも公開されている。

「部下の提案を判断するだけの社長には勝てない」

   知事は以前から、「たけし軍団」の水道橋博士にツイッターの利用を勧められていた。多忙を理由に先送りしていたところに声がかかり、試してみようということになったらしい。なお、アイフォーンは寄贈ではなくレンタルのようだ。

   つぶやきを読んだ水道橋氏から電話があり、「注意事項」のレクチャーを受けた。きっと自分の行動が筒抜けになるから、書き込みには気をつけてといわれたのだろう。

   しかし知事は17日に「これから、届け出の無い高齢者入所施設の視察に行く。アポなしである」と書き込んでしまった。フォロワーからは「つぶやくとバレちゃいますよ」「抜き打ちの意味が…」などの指摘が相次いだ。

   孫社長のねらいは、どこにあるのか。『法人営業バイブル』などの著書があるエマメイコーポレーションの大塚寿氏は、今回のアプローチは「極めて効果的な営業の戦法だ」と指摘する。

「東国原知事がつぶやけば、そのままアイフォーンのPRになるし、うまくいけば他の知事や会社の社長などにも広がる。知事に会社を印象付けることで、庁内にもパイプができて、他の案件の営業がしやすくなる可能性もあります」

   また、社長自身が社内会議で提案したところに、会社の強さを感じるという。

「ビジネスにはスピードが重要。トップ自身が判断して動く会社は強いです。部下が上げてくる提案を待ってジャッジするだけの社長では、勝てないでしょうね」
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