【世界一蹴】冬季オリンピック開催地、バンクーバーの「赤い手袋」

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   “人生の休暇”を1年もらって世界を旅するアシシです。南米で23カ国目の訪問を終えた僕は、冬季オリンピックの開催地カナダのバンクーバーに来ている(カナダはサッカーW杯には出場しないけれど)。この街には以前1年ほど住んでいたことがあるので、第二の故郷のようなものだ。

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カナダ男子モーグルの金メダルに大盛り上がり!

ダウンタウンでは巨大なカナダ国旗が目を引く
ダウンタウンでは巨大なカナダ国旗が目を引く

   3年前には工事中だったスカイトレインの新路線は、いまでは空港から街の中心地まで引かれて多くの観光客を運んでいる。ビルの壁一面を巨大なカナダ国旗が飾り、車の屋根にも小さな旗がはためいている。目抜き通りのロブソンストリートは顔に国旗を描いた市民や観光客でごった返し、街全体がオリンピックムード一色だ。

   開幕3日目の男子モーグルでは、地元カナダ人が金メダルを獲得し、街は大騒ぎとなった。道行く人々がハイタッチを繰り返し、「カナダ!カナダ!」のコールが大通りにこだまする。酔っ払いに占拠された深夜の地下鉄は、車内全体がダンスクラブのようになった。

   モントリオール(夏季)、カルガリー(冬季)に続き3回目の五輪開催となるカナダは、運営側・参加側ともにオリンピックの楽しみ方を熟知している。もともとフレンドリーで陽気なカナダ人は、この「世紀の祭典」をその名の通りフェスティバル(お祭り)として楽しんでいるのであろう。

   ただ、以前から問題となっていたホームレスの増加は、いまも解決されていなかった。僕が滞在していた3年前にも地元の新聞でよく取り上げられていたが、有効な策を見出せないようだ。記念撮影をする若い観光客に、“spare change, please.(小銭ください)”と物乞いする老人の姿を見ると、複雑な気持ちになる。

   街でよく目にするのは、なんといっても「赤い手袋」だ。

4年を費やした数十秒の緊迫感がたまらない

ロブソンスクエアのスケートリンクに応援に来たカナダ人親子
ロブソンスクエアのスケートリンクに応援に来たカナダ人親子

   この手袋、日本のテレビにも映っていると思うが、手の甲には五輪マーク、手のひらにはメープルリーフがかたどられている。オフィシャルグッズとして販売されており、価格も10カナダドル(約850円)と手頃なので、道行く人のほとんどが身に付けている。僕も盛り上がりに乗り遅れまいと、つい買ってしまった。

   大会を盛り上げるこのようなアイテムは、僕らが目指す最終目的地、サッカーの南アW杯でも応用できるのではないか。開催時期の6~7月、南アフリカは冬だ。ケープタウンやダーバンなどのリゾート地は例外だが、高地のブルームフォンテーンやヨハネスブルクでは、夜には零下近くまで冷え込むこともある。ぜひFIFAには、バンクーバー五輪の「赤い手袋」からヒントを得て、センスの良いオフィシャル防寒グッズを製作してもらいたい。

   会場での観戦予定は、今のところ女子カーリングの日本戦のみだが、それ以外の競技はカナダ人の友人宅やスポーツパブなどで、毎日テレビ中継を観戦している。いつもサッカーばかり観ている僕にとって、個人競技が多いオリンピックは非常に新鮮だ。

   W杯も五輪も、4年に1度の舞台という点では同じだ。しかし、サッカー選手には最低予選3試合、計270分が用意されているのに対して、スキーやスケートの選手には、たったの数十秒しか与えられていないのだ。

   この「瞬間」のために4年という月日を費やしてきたことを考えると、一部のトップ選手に限られたメダル争いだけでなく、スタート地点に立って前を見つめる各選手の表情をひとりひとり見るだけでも、ゾクゾクと感じるものがある。サッカーでは味わえないこの緊張感、切迫感がたまらない。

   街全体の高揚感、競技そのものの緊迫感を目いっぱい味わいながら、残りのバンクーバー滞在期間を大いに楽しもうと思う。

アシシ@バンクーバー

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サッカー日本代表が出場する国際大会に毎年参加するコアサポーター(写真左)。本名、村上敦伺(あつし)。1977年生まれ、札幌市出身。職業はフリーランスの経営コンサルタント。元同僚の四方健太郎(写真右)とともにサッカー南アW杯出場32か国を2年間かけて訪問し、『世界一蹴の旅』(双葉社刊)を上梓。「半年仕事・半年旅人」のライフスタイルを2006年から継続中。ツイッター @4JPN
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