1日のうち多くの時間を費やす職場だが、残念ながら楽しいことばかりではない。時には泣きたくなることもあるが、社会人たるもの、職場で涙を流すことは、はばかられる。ある調査によると、それでもこらえられないときに人気がある場所は「トイレ」という結果となった。
個室や鏡があって化粧直しもできる
毎日コミュニケーションズが運営する20代社会人向けサイト「COBS ONLINE(コブスオンライン)」は2010年1月28日、「仕事が原因で泣きに行った場所ランキング」を発表した。回答者は、20代男女のCOBS ONLINE会員男性292人、女性708人。
それによると、仕事のことで泣きたい気分になったとき駆け込んだことがある場所を尋ねたところ、男女とも1位は「会社のトイレ」だった。ただし男女で回答率が異なり、男性では37.3%だったのに対して、女性では75.4%(複数回答)。男性は、会社で泣いたことがない人が多いのだろう。
これに対して女性では、4人に3人が泣きたくなってトイレに行った経験があることになる。トイレ人気もさることながら「仕事中に泣きたくなった経験がある人」の多さに驚く。トイレを選んだ理由は、「勤務中はむやみに社外に出られないので」のほかに、
「誰にも見られないし、化粧直しもできるから」
「涙が止まらないときは『具合が悪くてトイレから出れません!』という手も」
など、女性にはいろいろなメリットがあるようだ。
「あこがれの駆け込み場所」は会社の屋上
2位以下は、男性では「自分の車の中」「会社の近所の公園」、女性では「休憩所」「別のフロア」が続いた。公園を選んだ男性の理由は「会社の人がいない場所で泣きたいから」というが、屋外の公園では通行人がいぶかしげに見るのではないか。
ドラマなどに登場する「会社の屋上」は、男女とも5位。屋上を選んだ理由を、ある女性は「屋上で思いっきり叫びたかったから」と回答している。叫べる屋上があるのはうらやましい。
実際には、屋上がなかったり、あってもカギがかかっていたりして、屋上に上がれない会社がほとんど。「実際に泣いたことはないけど、泣くとしたら屋上」と語る女性もおり、屋上は「あこがれの駆け込み場所」のようだ。
自社ビルで屋上のある会社に勤務する30代の女性は、思い出をこう振り返る。
「入社2年目で企画書を作ったとき、内容を理解しない上司から思いつきで指摘を受けて、言われるがままに修正した。すると先輩から『そこ、直しちゃっていいの?』と言われてハッと気づき、自分が情けなくなって屋上で泣いた。泣き止んでから資料を元に戻し、上司に『やっぱりこれでいきたいです』と説明したらあっさり通った。今でも迷うことがあると、屋上に行って初心を思い出します」