ある日の夕方、打ち合わせをしていたら、一人のケータイが鳴りました。
「さすがにもう来ないでしょう?」
その人は、素早くケータイをチェックすると、ボタンをいくつか操作して何事もなかったかのように仕舞いました。
井「大丈夫?」
A「ああ、迷惑メールだったんで」
井「え? ケータイでイマドキ迷惑メール!?」
A「いや、結構くるでしょ? 10通ぐらいはフツーに」
B「えー、来ないよー。井上さんも来ないでしょ?」
たしかに、ケータイの迷惑メールは、このところ、まったくと言っていいほど来なくなりました。というか、筆者のケータイには、もともと1年に1通来るかどうかです。
2001年ぐらいでしたでしょうか、迷惑メールが問題化してきた頃、ISPや携帯キャリアに対策を取材したことがあります。当時の取材先はどこも、相当な人的、物的コストをかけて対策を施そうとしていました。
結論的には、迷惑メールが儲かるという構造(ビジネスモデル)をどうにかしないと、いつまでたってもイタチごっこになり、かかってしまう対策コストという名の社会的損失が大きくなるばかり、というものでした。
対策不足? 迷惑メールにいまだ悩まされる人も
そうした努力のかいがあったのでしょう。現在では、さまざまな、ほとんどは無料の対策が用意されています。
インターネットコムとgooリサーチが定期的に発表している調査には、興味深いデータがあります。
2008年12月の調査によれば、1日に迷惑メールが10通以上届く人が27.8%。2009年5月の調査では、迷惑メール対策を何もしていない人が25.3%。
キャリアが対策を提供しても、それでも何もしていない人が迷惑メールを多く受信している様子が伺えます。
同じく09年5月調査で、迷惑メールを不快と感じている人が94.2%にも上っています。
不快にならないだけでなく、詐欺や犯罪に巻き込まれないためにも、迷惑メール対策は行うようにしたいですね。
井上トシユキ