悩める入社3年目「自分の存在価値を見出したい」

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   入社3年目といえば、会社の状況をだいたい把握し、仕事の問題点も見えてくるころです。また、上司や先輩の指示をがむしゃらにこなす毎日から、自分の将来を考え「このままでよいのだろうか?」という気持ちが起こるころでもあります。Q&Aサイトの「教えて!goo」には、そんな社員からの相談が寄せられています。

「部署内での自分の存在価値を見出したいのです」

上司から「何でもいいから専門家になって」と言われ

   質問者のo_masterさんは、IT系の会社に転職して3年目。入社時に自分の技術をアピールしたものの、

「似たようなことができる人は他にいるから」

と言われて携わることができず、これまで他の色々な業務に挑戦してきました。

   しかし年度評価の席で、上司から「ある分野の専門家になってほしい」と注文が。「ある分野とは何ですか?」と尋ねると、「自分自身で決めて」という答えが返ってきました。

   専門性を高めれば、部署が力を入れる分野の業務を担当することができたり、周囲から「それは彼に聞けば分かる」といわれる存在になることができて、仕事のモチベーションも上がることは自分でも分かっています。

   しかし、どうすればそんなポジションを獲得できるのか、いまは道筋が見えません。また、将来的なキャリアパスのイメージも描けないまま、何年も努力を続けられるのかということにも不安が募っています。

「日々勉強を続け、業務で生かせるチャンスを待つしかないでしょうか」

「才能とは、努力を継続する意志だ」

   この相談には、短時間のうちに2つの助言が寄せられました。

「貴方の実力次第です。・・・会社全体の仕事の流れを把握した上で、改善・改良の案が出せるかどうかにかかってきます」(gh123-2009)

   確かに、「僕には何が合っているのか」と受身で待っていても、会社は教えてくれませんし、受身の社員には、それなりの仕事しかきません。

   「いまの会社の仕事の進め方には、こういう問題がある」「こういう分野を強化していけば、会社はもっと発展していける」と課題を提起し、それを解決する能力が自分にあることをアピールできれば、重用されるでしょうね。「自分自身で決めて」という会社の指摘にも通じるところがあります。

   また、チャンスを待って何年も勉強しつづける不安に対しては、「成果は一定の努力が積み重ねられて、閾値を超えたところで初めて現れる」とアドバイスする人がいました。方向性を決めて、粘り強く努力するしかないということでしょう。

「『才能とは努力を継続できる意志』という言葉がありますが、まずはこの分野で頑張りつづける覚悟を持てるかということでしょうね」(doraeveさん)

会社員にもフリーランスの感覚が求められる

   質問者さんのような悩みを持つ人は、実は少なくないようです。NTTデータ経営研究所が最近発表した「IT人材のプロフェッショナル意識調査2009」によると、通信・IT関連サービス従事者のうち、将来さらなる能力を「今の職場・仕事で発揮するのは難しい」と感じている人の割合は6割に上っています。

   ただ、激しい変化の中で「頑張りつづける覚悟」だけで切り抜けられるでしょうか。ある30代のベンチャー経営者は、「IT企業は過当競争になっている。今後はシニア向け美容室の経営に事業をシフトする」と話していました。専門性が必要なのはどの職種でも同じ。フリーランスのように自分が生きる市場の行く先を見定め、仕事を勝ち取る感覚が、会社員にも必要になっているかもしれません。

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