ケータイは希少資源=レアメタルの塊でもあります。
環境負荷軽減にともなう世界的なリサイクル、リユースの流れのなか、買い替えや機種変更の際にケータイを回収し、レアメタルを再利用しようという動きが活発化してきました。
「本体の傷も大事な思い出」という人も
一流企業に勤める30代の男性は、「大賛成」と言います。
「日本人って、記憶とか記録を大事にしますよね。たとえば、切符を記念に取っておいたり。機種変更などの時も、古いケータイを持って帰る人が多いそうなんですよ。しかし、使用済みの切符と同じで、持って帰ったところで要はゴミなんだし、環境、資源保護の観点から、ケータイ部品のリサイクル、リユースは、もはや人類の義務でしょう?」
「でも」というのは、20代の女性会社員。
「ケータイって、いつも身近にあるものだけに、思い出と直リンクしてる。メールや画像といったデータはSDなんかのメディアに保存すればいいって言うけど、本体についた傷やデコレーション、プリクラまで含めて思い出なんだよね。ああ、あん時ケンカしたよね、それで投げた時についた傷なんだよね、その後でメールでやり取りして仲直りもしたよね、みたいな」
そんな人生の記録が詰まった、これまで自分が生きてきた証ともいうべきケータイだから、「チキュウカンキョウ」なんていう曖昧な理由だけでは簡単に手放せない。
「だって、技術が進歩すれば、レアメタルも使わなくて済むようになるんじゃないんですか?」
どちらの言い分にも一理ある気がしてきました。
ただ、個人的には、記憶や思い出は風化するからこそ美しい、という部分も無きにしもあらずとは思います。
3代ぐらい前の機種だと、実際には電源がどっかに行っちゃってて、再起動することは金輪際なかったりしますし、メディアもminiSDだったりして、「読み取り機はどこだっけ」って探さなくちゃならなかったり。
みなさんは、どうでしょう?
井上トシユキ