「この間、親が振り込め詐欺に引っかかりかけた」
と話すのは、東京のベッドタウンに暮らす40歳の男性。
息子を騙って「子どもが事故に遭ってお金が必要」
事情があって親の土地に建てた2世代住宅を離れ、孫との連絡用にとケータイを持たせた直後のことだそうです。
両親ともに70代で、ケータイを持つのはこれが人生初。まだ使い慣れないうちの出来事に、いろいろと不安を感じたとか。
「ある日、両親のケータイに、『俺だ』と僕を装った人物から、事情があって番号をこれこれに変えた、と連絡が入ったんです。その2、3日後に、今度は子どもが事故に遭って、どうしてもすぐに50万円必要だ、と指定口座へ振り込むように言ってきた」
当初、ご両親はまったく疑うことをせず、近くの銀行へ行って50万円を振り込もうとしました。
「怪我をしたのは上の子?下の子?」
ところが、ATMの周囲や画面に振り込め詐欺に注意するよう警告があったことで、いったん冷静になったのです。
「信用させるためでしょうか、相手は番号を通知してきていました。そこで、その番号に電話をかけ、いろいろ探りを入れたのです」
決定的だったのは、「怪我をしたのは、上の子か下の子かどっち?」という質問。
相手はとっさに「下の子だ」と答えたのですが、孫は1人しかいなかったのです。
「それにしても、なぜ初めて買ったばかりの両親の番号を犯人たちが知っていたのか。考えると、とても不気味ですよ」
何かの申し込みなどの情報が漏れているのでしょうか。
いずれにせよ、闇の世界との接点にもケータイが存在する、という注意を怠らないことが重要ですね。
井上トシユキ