営業職の人なら、車で外に出たものの思うように売れなかったりして、つい路肩に車を停めて居眠りをしたりする経験は誰にでもあるのでは。もし、そんな行動を会社が逐一監視していることが分かったら・・・。Q&Aサイトの「教えて!goo」には、そんな状況に直面した人からの質問が寄せられました。
「知らないうちに営業車にGPS発信機が取り付けられていました!」
数人の営業職を監視「腹の虫が治まらない!断じて許せない」
質問者のma-si-0707さんは、中小企業の営業職。ある日、社長が社員に黙って、数台の社用車に現在地を監視できる「GPS発信機」を取り付けていたことが分かりました。これを知った質問者さんは、「断じて許せない」と憤り、会社を辞めることにしました。
ただ、他の人にも同じことをされるおそれがあるし、腹の虫も治まらないので、社長に一泡吹かせたいと考えています。
「社長を訴えたり処罰を与えたりすることは出来ないのでしょうか?」
実は「教えて!goo」には、過去にも「伯父さん(社長)が従業員(甥っ子)にないしょで社用車にGPSを設置しているようです」とか「追跡できるシステムをこっそり付けることは合法なのでしょうか?」といった同様の質問が寄せられています。
この質問に対する結論は、doctorelevensさんの回答を要約すると、
1.法律上、社用車は「会社の所有物」
2.会社の所有物は何であれ、会社経営者の指揮監督の元で維持管理される
3.以上を踏まえGPSの設置は可能。労働者に説明する義務もなければ了解を得る必要もない
というところのようです。他の回答も、ほぼすべて「会社が行った行為に(法的な)問題はない」というものでした。
GPSの無断設置は「社用車」だけでない
とはいっても、無断で取り付けられた社員は、いかにも「信用されていない」という感じがして、不快になったでしょうね。一方で、もし悪質な行動を疑われている人がいたとすれば、処分を前提とした実態調査となり、無断の設置は当然ということになるでしょう。
ただ、できることならば「上司が遠隔地から営業ルートなどをチェックする」という目的を示して、GPSは社員の了解を得てから設置し、社員の行動に改善の余地があれば指導に活用する、という進め方が望ましかったのではないでしょうか。
それよりも恐ろしいのは、GPSを「自家用車に無断でつける」例があること。「教えて!goo」には「離婚を前提に、夫の浮気の証拠をつかむ」目的で、複数の追跡方法を挙げて「どれにすればよいでしょうか」という相談が掲載されています。
中には「GPS携帯を2台契約し、サイレントにして夫の車に忍ばせる」という方法もあって、こんなに簡単に居場所を追跡されてしまうのかと驚くとともに、背筋がゾッとしました。社用車にしても自家用車にしても、「やましいこと」がなければ何の心配もないのですが・・・。