不況下で、給与や賞与が削減されている会社が少なくない。調査によると、最近の主婦には「夫からの生活費の減少を補うため」、積極的に働こうという意識が高まっていることが分かった。
「生活費」と「貯金」が増加 「趣味・交際費」は減少
インテリジェンスが運営する求人情報サービス「an」は2009年11月17日、「主婦の就労意識調査」の結果を公表した。回答者は、関東1都3県在住の25~44歳で、現在非正規雇用で就業中の主婦1000名と、現在無職だが今後パートアルバイト・派遣または契約社員として働く意向がある主婦1000名。
それによると、求職中の主婦が就業を考える理由は、「生活費を補いたいから」(73.4%)が最多となり、4分の3近くに上った。2位以下は「貯金を増やしたいから」(65.9%)、「趣味や交際に使うお金がほしかったから」(60.1%)となった。
07年の調査と比べると、順位は変わらないが「生活費を補いたいから」と回答した人の割合が10.9ポイントも増えている。不況による夫の収入減を補いたいという動機が高まり、積極的に就業を考えているということだろう。
一方、現在就業中の主婦でも、やはり「生活費を補いたいから」(71.0%)が最多で、07年と比較すると7.5ポイント増えている。2位は「趣味や交際に使うお金が欲しかったから」(50.3%)だが、07年よりも3.3ポイント減少。こちらも、趣味や娯楽ではなく「生活費志向」が強まっていることが分かる。
求職中の主婦 政府補助で「より良い条件の仕事求める」
また、子ども手当などによって家計所得が増えた場合、有職の主婦に「今の仕事の時間を減らそうと思うか」と聞いたところ、「まったく思わない」が39.7%で最多に。「あまり思わない」(26.0%)を加えると、65.7%の人が政府補助によって勤労時間などを変えるつもりがないということになる。
一方、求職中の主婦については、政府補助で家計所得が増えた場合「より良い条件の仕事に就きたいと思うか」と問いに、「大いに思う」が21.8%となった。「やや思う」(31.5%)を加えると半数を超えており、政府補助によって求職状況に影響が現れる可能性が見られる。
この結果を受けて調査元は、「新しく主婦を採用する際には、勤務時間や時給といった条件を従来と比べ、より良くすることが必要かもしれない。手当支給がまだない今から、先んじて採用を始める対応方法もあるのではないか」と分析している。