NTTレゾナントが運営するgooランキングは2009年11月9日、「実は意味を知らなかったビジネス用語ランキング」を発表した。回答者は全国の「gooリサーチ」登録モニター男女1,156名。
日本語に置き換えられそうな横文字も多い
トップ10は以下の通り。日本の職場で使われる「ビジネス用語」を想定しているはずだが、ランクされているのは、なぜか横文字ばかりだ。
1.CSF(Critical Success Factors)
2.クラウドソーシング
3.バズマーケティング
4.BPR(Business Process Reengineering)
5.ロングテール
6.デューデリジェンス
7.B2C/B2B
8.CRM
9.コアコンピタンス
10.BSI(Business Survey Index)
よく見ると、日本語に置き換えられそうなものもある。「CSF」は「重要な成功要因」、「バズマーケティング」は「ネット上の口コミ」、「BPR」は「業務の抜本的な見直し」。
「B2B」は「企業間取引」や「法人相手の商売」、「コアコンピタンス」は「自社の強み」など。「デューデリジェンス」には「精査」という言い方もある。
「それでは細かいニュアンスが伝わらない」という声もあるかもしれないが、このランキングに上がっているということは、そもそも相手に意味が伝わらないことを想定した方がよさそうだ(相手を煙に巻く意図があれば別だが)。
重要なのは「用語」ではなく「提案の中身」
他方、ネット系の新語は従来にない概念を扱っているので、日本語への置き換えが難しいものもある。とは言っても別の言葉に言い換えることで、より分かりやすくなるものもありそうだ。
たとえば「クラウドソーシング」は、@IT情報マネジメント用語事典によると、
「企業が自社の業務や問題解決をインターネットなどを通じて、不特定多数の"群集"(crowd:クラウド)にアウトソーシングすること」
とあるが、ケースに応じて「ネット公募」や「ネット投票」「ネット外注」などと言い換えられるものもある。
また、実際の会話において、ビジネス用語を使わずに説明した方が、実のあるものになることもある。「部長、それはロングテールですよ」と言うよりも、「営業マンには売れ筋と高額商品を中心に扱ってもらいますが、ネットでは品揃えを少し広めに取ってみませんか」と提案した方が、印象はずっとよいのではないか。
重要なのは、誰も知らない新しい言葉を真っ先に使うことではなく、ビジネスに使える新しい考え方を深く理解することだ。客先のプレゼンで「それ何て意味?」と聞かれて、答えられずに恥をかかないよう、使い方には十分注意したほうがよいだろう。