不況の折、業務改善を求められているビジネスパーソンは多いでしょう。そんな中、Q&Aサイトの「OKWave」には、見事に劇的な業務改善を成し遂げたのにもかかわらず、先輩から叱られてしまった派遣社員からの相談が掲載され、多くの回答が寄せられています。
「マクロを使って業務を効率化したらズルだと言われました」
「マクロを使えない先輩のヒガミとしか思えない」
質問者の1wer56さんは、一般事務の派遣社員。簡単なプログラムを組める知識があり、定型業務についてはマクロ(パソコン上の作業自動化プログラム)を組んで処理しています。そうすると、これまでMS-Excelで1時間かかっていた作業が、1分で終わることもあるとのこと。
なので、職場では「仕事が早い」と評価されているようですが、これを見た先輩から叱られてしまいました。いわく「仕事が早いというのは同じ環境でどれだけ間違いがなく効率よく作業ができるかだ」「マクロを組むのはズルをしているのを同じ」と。
業務を効率化するのも仕事のうち、と考える質問者さんは、先輩の言い分に納得できません。仕事が早く終わったからと言って遊んでいるわけでもなく、時間が余ればさらなる効率化を考えているようです。
「マクロを組んで作業するのは実力ではないですか?」
これに対しては、先輩の言い分がおかしいという意見が多数を占めました。
「効率を上げるために備わっている機能を使用する事に問題は全くありません。よって貴方のやっている事は間違いではありません。・・・その先輩は自分がマクロを使えない事に対するヒガミを言っているようにしか思えません」(FENさん)
「マクロを社内に広めては」「便利屋にされるから気をつけて」
ただし、その優れた能力を自分の手柄を挙げるためだけでなく、さらに有効に使ったほうがよいのでは、という意見もありました。
「他人より早く仕事ができたのなら、そのマクロの完成度を高めて他人でも使えるようにして、全体の効率を上げるようにしましょう。これはある意味、マクロを最初に作るより時間もスキルも必要なことかもしれません」(nattocurryさん)
確かに、先輩も同じ仕事をしているのならば、先輩にも使ってもらえば仕事はずっと効率化されます。他方、自作のマクロを広めることのリスクを指摘する人もいます。
「私の経験では『マクロが使える』ということは隠していたほうが無難だと思います。マクロができる=パソコンができるという方程式を他の職員が作り上げるため、余計な仕事が増えた挙句、ただの便利屋になってしまうだけですから」(masandokunさん)
また、先輩の「ヒガミ」の理由を考え、進め方に注意したほうがいいという人も。
「効率化を進めすぎるとその先輩を含め雇用の継続が危うくなる、という生存本能に近い感情も大きいと思われます。・・・上位の役職者と合意を取り付けながら進めた方が、あなたにとっても職場にとってもハッピーな展開になることと思われます」(kawarahiraさん)
OKWaveの他の質問を検索してみても、「業務時間外に作成したソフトの権利」や「自作プログラムの社内展開について」など、業務効率化のために専門知識を活かしてプログラムを作っている人からの質問が目に付きます。今後、情報セキュリティの問題や、それをどう評価するかなどを含め、効率化と同時に考えなければならないことが増えてきそうです。