子どものネット犯罪 手本になれない「バカな大人」が悪いのか

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   京都の高校生が、女子トイレにケータイを仕掛ける事件がありました。動画を撮影できる状態にしておき、盗撮しようとしていたのです。

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「良く行く店にも仕掛けられてるって想定しておかないと」

「考えてみれば、こういう使い方をするヤツって、いずれ出てくるんだよね。必ずね」

   そう話すのは、都内の会社に勤める20代のA子さん。

「ケータイが便利に、小型化するのはいいことなんだけど、便利さや小ささを逆手に取る犯罪って、別に珍しくないからね。ちょっとキツいのは、ウチらの会社とか良く行く店とかのトイレにも、すでに仕掛けているヤツがいるんだろうなって、こっちも想定しておかなきゃならないこと」

   「とはいえ、トイレは入らないとしょうがないし」と、同僚のB子さんが引き継ぎました。

「実際、ネット見てたら、盗撮動画なんて、いっぱいあるじゃない。お子ちゃまが見たがるってのは、ある程度はわかる気がするけど、大人が金儲けするのに無断で利用されるってのは、納得感まるでなし」
「そうそう、大人なんだよね、悪いのは」

子どもの手本になれないバカな大人や老人は「情けない」

   一緒にいた学生時代の友人C子さんもヒートアップ。

「大人がネットとかで公開して金儲けするから、ガキも真似するのよ。犯罪者のお父さんの背中見て育ったガキが犯罪者になって、悪の数珠つなぎ。いい歳して子どもの手本になれないバカな大人とか老人が増えてる世の中、って情けない」

   「モンスター、なんだっけ、親? ペアレント? 典型だよね」とB子さんがいえば、A子さんも「こういう事件があって、だからケータイを子どもに持たるなとかいう親も、バカ丸出し。お前のしつけがなってねーんだろ、って。他人のせいにするな、って」

   最後には、「バカ親に育てられた最近のガキは甘やかされ過ぎ!」の大合唱になってしまいました。

   40代の筆者は、ちょうど高校生の親になっている世代ですから、もうタジタジです。

   それに、40代というのは、ちょうどネットが出てきた頃、すぐにヘビーユーザーになった世代でもあります。

   たしかに、われわれ大人が調子に乗っていたのかも知れません。襟を正そうという気にさせられました。

井上トシユキ

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井上トシユキ
1964年、京都市出身。同志社大学文学部卒業(1989)。会社員を経て、1998年よりジャーナリスト、ライター。東海テレビ「ぴーかんテレビ」金曜日コメンテーター。著書は「カネと野望のインターネット10年史 IT革命の裏を紐解く」(扶桑社新書)、「2ちゃんねる宣言 挑発するメディア」(文藝春秋)など。
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