いつか爆発する?「過熱ケータイ」使うのが怖い

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「ケータイを使うのが怖いんです」

   妙なことを言うのは、30代の営業マンAさん。

   まさか子供じゃあるまいし、ワンクリック詐欺にでも引っかかったか、と詳細を訊ねてみると……。

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お金を払って電池パックを交換するも「症状に変わりなし」

「仕事柄、長時間の通話や一定時間で集中して使うことが多いんですが、長く使っているとケータイの電池がだんだん発熱してくるんですよ」

   長い時間、通話やメールをしていて電池部分が温かくなってくるのは、そんなに珍しいことではありません。

「いやいや、許容範囲を超えて、はっきり熱くなってくるんです。ネットを見ていると、ノート型パソコンや携帯音楽プレーヤーが爆発する動画がアップされているじゃないですか。あれを見てからというもの、いつか自分のケータイが爆発するんじゃないかって、心配で心配で」

   うーん、たしかに、ケータイが手元で爆発するなんて、考えたくもありません。

   鞄の中でならまだしも、通話やメールをしている最中だと、最悪を通り越して、もはや極悪です。

   手の平に穴が空くとか、指の2、3本が吹っ飛ぶとか、想像するだけでスプラッターかつホラー。

「電池パック個別の不具合かと思って取り換えたんですけど、高い金を払ったのに、ほとんど症状は変わりませんでした」

契約の「2年縛り」中の不具合 責任はキャリアにないのか

   いっそのこと、機種を変えてみては?

「今年の初めに買い換えたばかりで、支払い2年縛りがまだ利いてるんですよね。ショップに行ってクレームをつけたんですが、さんざん待たされたあげく、熱くなるまで時間をかけてチェックしてもらう余裕もなく、不具合ではないって言われてしまいまして」

   買い替えでかかってくる費用や、失われる特典などは保険代だと思って諦めようとも思うそうですが、「キャリアのほうのミスというか責任なのに、こっちが新たに費用を被るのもバカらしいんじゃないか」と、決心がつかないままなのだとか。

   商品は企業にとって、イメージであるとともに、信用と信頼の源泉です。

   IT関連機器は、精密機械というより、もっと手軽な家電製品という位置づけになってきています。それは、消費者にとって良いこともありますが、やはり安全で安心して使えるということが、物づくりの基本のはず。

   いくら競争が激しくとも、基本や原点をおろそかにしてもらっては困ります。

井上トシユキ

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井上トシユキ
1964年、京都市出身。同志社大学文学部卒業(1989)。会社員を経て、1998年よりジャーナリスト、ライター。東海テレビ「ぴーかんテレビ」金曜日コメンテーター。著書は「カネと野望のインターネット10年史 IT革命の裏を紐解く」(扶桑社新書)、「2ちゃんねる宣言 挑発するメディア」(文藝春秋)など。
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