仕事がタコツボ化し、コミュニケーションが停滞した職場では、人間関係がギスギスし、仕事の質やスピードも落ちてくる。そんな職場体質を改善するために、若手社員を中心としたユニークな社内イベントを開催した会社がある。
「上司や先輩との相談」で解決策の内容とスピードを向上
衣料品・雑貨仕入れ用サイトを運営するラクーンでは、社内イベントの一環として問題解決プログラム「他力本願解決王決定戦」を実施している。顧客からの要望を、アルバイトを含む若手従業員に割り振り、迅速かつ最善の解決策を提示した人を表彰する。
審査のポイントは2つ。ひとつめは、顧客の要望に対し「すぐ応えられる改善レベル」と「時間のかかる根本的で大規模なレベル」の解決策を組み合わせて検討すること。顧客の不満を適切に解消するために必要な要素だ。
ふたつめは、解決策を考える際に「他人の力」や「社内のリソース」を最大限に活用することだ。上司や先輩との相談や、他部署のスペシャリストとの協力を促進することで、解決策の内容やスピードの向上を図る。
解決策の高得点者には「賞金」と「特別有給休暇」を授与
解決策は、最終的に「お客様への手紙」という形で提出される。このプログラムの推進を担当する社長室の濱田氏は、ねらいをこう説明する。
「電子メールの発達や、成果主義的な業績評価が進む中で、お客様からご意見やご要望を受けた若手社員が、ひとりで問題を抱え込んでしまうことが目に付くようになった。若手社員が中心となったコミュニケーションを促進し、顧客対応力を会社として向上させるために、遊びを加えたイベントとして取り組むことにした」
ラクーンはBtoBサイトを運営するIT企業だが、対面コミュニケーションや顧客への手紙など、随所にアナログ的な手法を使っているところが興味深い。
第1回目の審査は2009年8月末に行い、最も評価の高い解決策を提出した男女1名に「解決キング」「解決クイーン」の称号と賞金、特別有給休暇5日が、評価点数の合計が最も高かった人には「特別賞」が贈られた。