年功序列が崩れかけてきて、「年下の上司」が珍しくなくなってきました。ただ、ベテラン社員の中には強い抵抗感を抱いている人もいるようです。Q&Aコミュニティの「OKWave」には、そんな「逆転現象」が起きた職場で働く質問者の相談が掲載されています。
「年下の上司に対する言葉遣いは、どうすべきでしょうか?」
部下が上司を「呼び捨て」。上司は「わかりました」
質問者のsyouji1さんの部署で、人事異動がありました。新しい部署のメンバーは、今回昇進した部長39歳と、課長53歳、係長28歳、質問者(パートタイマー)の4人。
新体制で1か月が経ちましたが、質問者さんには気になって仕方がないことがあります。それは、課長が部長に対して、
「おい!○○(部長の苗字呼び捨て)!お前宛てに電話がかかってきたぞ」
「相手は至急って言ってるから、すぐにかけろ」
「俺、明日△△社に行くのが面倒になってきたから、お前代わりに行ってきて」
など、とても丁寧とはいえない言葉遣いをすることです。
周囲は聞いていてヒヤヒヤしているのですが、部長は「あー、はいはい。わかりました」といった感じで、気を悪くしているようには見えません。
しかし、やはり気になる質問者さんは、Q&Aサイトでみんなの意見を聞いてみたくなりました。
「上司に対しては、年齢・入社時期関係なく敬語を使うべきだと思っているのですが・・・」
最初の回答は、入社時期が大事という意見でした。
「年齢は関係ないですが、(勤続)年数は関係ありますよ。役職というのは、あくまで会社内での立場に過ぎません。それは人間としての価値ではありません。敬語とは本来、人間として相手に敬意をあらわすものです」(hidechan2004さん)
勤続年数が「人間としての価値」につながるかどうか、やや疑問ですが、それはともかく、以前若い上司が大先輩の部下に対して、すごく厳しい言葉で叱責している場面を目にしたとき、「気分が悪かった」「その方たちがいて、今の会社があると言うのに」と思ったのだそうです。
ポスト年功序列時代は「誰に対しても敬語で『さん』」
一方で、敬語は肩書き優先で使われるべきでは、という意見もありました。
「職場では、肩書きが第一順位、勤続年数が第二順位であり、年齢は上下関係に左右されません。私は30代後半ですが、50~60代の部下は私に対し敬語を使っています」(yachtmanさん)
「この課長は、社長が年下でも部長と同じように、呼び捨て&お前呼ばわりするのでしょうかね?」(tulipeさん)
なお、yachtmanさんの会社では、もし年上の部下が年下の上司に対して、敬語を使わなかったり上下関係をわきまえなかったとしたら、懲罰の対象になるようです。
ただ、上司だからといって「年上の部下」のプライドに配慮できないと、痛い目に合うという声も。「異例の抜擢」を受けて、やっかみから先輩たちのいじめにあった人が、こんなアドバイスをしています。
「当時つい若さが出て『だったらお前らも結果を出せよ』なんて態度をとってしまった。生涯の痛恨事です。おかげで『あいつを潰せ』と裏で連合ができてしまいました。気がついたら部下は反発し先輩には『部下の管理がなってない』と責められ、とうとう辞表を提出させられました。その部長さんの心中を察するに余りありますね」(eroero1919さん)
質問者の若い部長さんも、人知れず気苦労をしているのかも。結局、年功序列の崩壊を前提としたルールづくりをすべき時代になったということでしょうか。
「私は職場では誰に対しても敬語で、名前を呼ぶ時は『さん』を付けるのが当然だと思います。私は女ながら、年上で男性の部下を持った事がありますが、敬語を使えない男性には軽蔑の気持ちすら沸きました」(r0709さん)
「誰に対しても敬語」以外には、「誰に対してもタメ口」という選択肢もありますが。日本の社会にはなじまないでしょうかね。それとも、そんな会社、もうどこかに現れているでしょうか。