内憂外患の状況下、「苦労ばかり多い管理職になんかなりたくない!」という人が増えている。そんな中、ある大手会社では新任管理職を無人島に送り込み、2泊3日の「サバイバル研修」を実施するという。果たしてどんな効果をねらっているのか。
「単独行動」が原則。「個人の力」強化がねらい
日清食品ホールディングスは新任管理職を対象に、2009年8月26日から28日までの2泊3日で、瀬戸内海の無人島における「サバイバル研修」を実施する。参加者は、日清食品籍の新任管理職(課長職)13名と、明星食品などグループ事業会社の社員4名。
研修は03年、「精神的・肉体的に"骨太な管理職"を育成すること」を目的に、兵庫県の無人島で始められた。06年から3年間は埼玉県の山中に場所を移し、簡易テントで一夜を過ごしたり禅寺で座禅をするなどしたが、今年は条件のより厳しい無人島に場所を戻すことにした。
参加者には、水と小麦粉、「チキンラーメン」数食とビニールシートが支給されるが、その他の食糧調達や寝床の確保などは、すべて自力で行わなければならない。
また、毎日の生活は原則として単独行動で行わなければならず、グループの結束力ではなく、あくまで個人の力を鍛えるところに研修の主眼がある。過去には強い風雨で寝床が浸水するなどの苦労もあったようだ。
会社は「この研修によって、参加者の"生きる力"を引き出し、"食"の重要性を再認識してもらいたい」とコメントしている。