履歴書に「顔写真」を貼らなくても大丈夫か

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   ある調査によると、もし自分が職場の採用担当だとしたら、履歴書の書き方を「重視する」と回答した人が86%に上った。しかし、企業の採用担当経験者は「実際に重視されるのは内容。書き方に対する誤解もあるのでは」と指摘する。

「手書き」でない履歴書でも「まったく問題なし」

   インターネット調査会社のアイシェアは2009年8月10日、履歴書に関する意識調査の結果を発表した。回答者は、20代から40代のネットユーザー男女509名。回答者のうち人材採用の担当者経験がある人は、全体の15.1%だった。

   それによると、自分が職場の採用担当だったとしたら、履歴書の書き方を「とても重視する」(28.1%)「ある程度重視する」(58.0%)と回答した人は、合わせて86.1%。これらの人に、手書きとPCのどちらで作成した履歴書が好ましいかを問うと、「手書き」が50.7%と半数を超え、「PC」の4.3%を大きく上回った。

   「履歴書でこれはアウトと思うのは?」という質問に対して、最も多かったのは「証明写真がプリクラやスナップ写真」で73.1%。次いで「誤字・脱字」(65.3%)、「字が乱雑」(61.9%)、「修正液を使う」(45.0%)という結果となっている。

   この結果に対して、上場企業で採用担当経験のあるA氏は、「調査結果は現実とだいぶ違うのでは」と語る。A氏によると、現在企業に送られてくる履歴書のほとんどはPCで作成されてきたものだが、「形式的には全く問題がない」と言う。

「手書きの履歴書は中高年の方のものが多く、かえってPCが苦手なのではないかと思ってしまいます。複製や修正の手間や見やすさを考えても、PCの方が合理的でしょう」

重視されるのは「職歴」。箇条書きでも大丈夫という意見も

   また、「書き方」への慎重さにも誤解があるのでは、と指摘する。例えば、会社が「JIS規格の用紙」を指定しない限り、様式は任意でよいはずだという。

「採用担当者が最も注目するのは、職歴です。どんな会社で何をどのくらいの期間やってきたのか。いま何ができて、新しい会社でどういうことをやってみたいのか。これを詳しく書くためには、市販の履歴書ではスペースが足りないのではないでしょうか」

   実際A氏の会社では、内容がしっかり書かれていれば箇条書きであっても受理され、過去に顔写真が貼られていない書類が送られてきたこともあったが、「その理由だけで落とされるということはなかった」という。

   また、面接官が中途採用において確認するのは、前職の「退職理由」だという。何かトラブルはなかったのか、健康面で問題はないのかなどについて、いくつかの角度から聞き取りを行う。

「職歴の期間などを見て、転職理由を聞きます。理由がきちんと説明できれば、転職回数が多くても問題にならない場合もあります。また、前職での残業時間や体調不良の経験などを聞き、履歴書に書かれている『健康状態:良好』などの記述が本当かどうかも確認します」

   採用担当者は「この人は自社の成長に貢献してくれるか」という本質的な視点で、求職者を見ているわけだ。確かに「プリクラ」は論外だし、書類の体裁がきちんとしているに越したことはないが、それだけが重要なのではないということは誤解しないでおきたい。

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