厚生労働省は2009年8月5日、派遣労働者の実態調査結果[PDF]を発表した。これによると、事業所の規模が大きいほど、セクハラに関する苦情の申し出を受けた事業所の割合が高くなっているようだ。
苦情の申し出が最も多いのは「人間関係・いじめ」
調査は、2008年10月時点の状況について、13000人超の派遣労働者(有効回答率61.1%)と約16000カ所の事業所(同72.2%)を対象に実施した。
調査結果によると、派遣労働者から苦情の申し出を受けた派遣先事業所の割合は3.8%。事業所の規模別に見ると、従業員100~299人の事業所では11.7%、300~999人の事業所では15.5%、1000人以上の事業所では26.4%に上っており、規模の大きな企業ほど苦情の申し出を受けた割合が高くなっている。
具体的な苦情の内容は、苦情の申し出を受けた事業所を100とすると、全体では「人間関係・いじめ」が39.5ポイントで最も多く、次いで「業務内容」が32.0ポイント、「就業日・就業時間・休憩時間・時間外労働・休暇」が27.0ポイントとなった。
事業所の規模別に見ると、1000人以上の事業所では「セクシャルハラスメント」に関する苦情が寄せられた企業が29.9ポイントに上っている。全体では6.3ポイントであり、大規模事業所でセクハラが訴えられる割合が突出して高い。
また、100~299人の事業所では「人間関係・いじめ」に関する苦情の申し出を受けた事業所が50.5ポイントと半数を超え、5~29人の事業所では「就業日・就業時間等」の苦情が43.1%となっている。事業所の規模によって、職場内で生じるトラブルに違いがあることが垣間見られる。