「接待は一切受けません!」竹中工務店が取引先に通達

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   竹中工務店は、取引先から接待等を受けることを全面禁止する「社内行動規範」を公表した。同内容の通達を、約6000社の取引先企業にも送付する大掛かりなものだが、どんなねらいをもった取り組みなのだろうか。

「お中元」「お歳暮」などの贈答も一切辞退

会食、ゴルフ、旅行等の接待は受けられない
会食、ゴルフ、旅行等の接待は受けられない

   「透明性の高い取引きの実現を目指して」と題した通達は、2009年6月1日付で公表された。取引を行う上での前提条件として、竹中工務店の役員・従業員が取引先から、

(1) 会食、ゴルフ、旅行等の接待を受けない
(2) 中元、歳暮をはじめ個人に対する贈答を一切辞退する
(3) その他個人的な利益供与を受けることを一切行わない

と定めている。そして、これに反する行為が確認された場合には、ウェブ上に設置する相談・通報窓口「パートナーズ・ネット」から連絡するように呼びかけている。

   「パートナーズ・ネット」とは、協力会社や作業員が、竹中側に違法行為などを通報できる内部通報システム。「優越的地位を乱用した不当な要求」などの行為は独占禁止法違反に問われるおそれがあり、高額な罰金を科せられると事業に多大な影響を与える。また、接待に使われた金が発注費用に転嫁され、コストアップになるおそれもある。

   そこで「不当な要求」と疑われるおそれのある行為を明記して全面禁止とし、さらに通報窓口を明確にすることで透明性の高い取引関係を維持して、違法行為を回避しようという考えだ。竹中工務店の広報部は「今回の取り組みは全体的なしくみの改善と徹底。接待禁止自体は以前から取り組んでおり、大きな転換ではない」と言う。

「割り勘」「自腹」は許容。「発注者の接待」は個別判断

   今回「パートナーズ・ネット」で大きく変わった点は、窓口責任者を本社の「監理室長」に一本化したことだ。これまでのしくみでは、窓口を各本・支店の調達部門に置いていたため、内容によっては通報しにくいおそれがあった。加えて、窓口を専用電話および郵便に加え、ウェブサイトからも通報できるようにした。

   なお、取引先との、いわゆる「割り勘」や「自腹」での食事などが許されるかという質問には、広報部は「当社においては、そこまでの措置は講じていないので、許容されているといってよい」としている。

   また、竹中工務店が受注する場合に発注者を接待することについては、「事前に部門長に対して可否を仰ぐシステムにはなっているが、禁止規定は設けていない。ただし、接待等の利益供与を禁じているお客様に、こうしたことを行うことはない」ということだ。

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