上司にしろ部下にしろクライアントにしろ、人には「相性」というものが避けられない。嫌なタイプの相手を受け入れるのは、なぜか難しいものだ。派遣会社アデコの日本法人を立ち上げ、数多くの部下を持った経験のある重茂達(おもい・とおる)氏は、「苦手な相手は動物に置き換えて対処法を工夫しよう」と言っている。
「ハチドリ型」には仕事のやり方を否定しないよう注意
超きまじめ型社員(ハチドリ)は、なにごとにも完璧を求め、プロセスにも美を追求します。細部にまでこだわりすぎ、何でも自分でやらないと気がすまなくて、そのために自分で仕事をすべて抱え込んでしまう。そんな社員を見かけたことはないでしょうか。
・・・朝から寝るまで働き続けるところ、勤勉さ、自分の仕事にこだわりが強いところなどは、本当にハチドリに似ていると思いませんか。自分の形にこだわり、効率の悪い働き方をしているところも似ています。毎日人間の約10万倍のエネルギーを消費しなければいけないのですから。
・・・(ハチドリ型の)「超きまじめ型上司」の場合は、まじめですから、部下に配属された人にとっては、社内のマニュアルや社会人としてのルール、手続きなどをきちんと教えてもらえることがプラスの要素でしょう。ただし、とにかく自分の仕事のやり方が正しいという考え方をする傾向が強いので、上司と違う仕事のやり方を認めてくれない場合があり、上司と同じ進め方を強要される可能性があります。基本的には部下に対しては辛らつな目を向けやすいので、評価が厳しく、欠点や問題点ばかりを指摘されることが多いでしょう。のびのびと仕事ができる環境ではないかもしれません。
上司の仕事のやり方をリスペクトしていることを伝え、ときには相談を持ちかけてもいいでしょう。そこから、より良い上下関係を築けるようになるのです。
(重茂達著『動物型上司に潰されるな!』KKベストセラーズ、118~127頁より)
(会社ウォッチ編集部のひとこと)
著者は、大嫌いなタイプの人に対しても、その言動を動物に置き換えることで許せるユーモアのセンスを持って人に接するよう提案する。そして人を「ライオン」や「マグロ」「ハチドリ」や「ダチョウ」など10種のタイプに分けて、そんな特徴を持った上司や部下を持ったときの対処法を紹介。避けるだけでなく、信頼を得て好かれる方法も書かれているが、「まったくアイツは頭にくる! でもダチョウだからしようがねえか・・・」と陰で愚痴をこぼすときにも使えそうだ。ただし、あくまでもユーモアの範囲で。