Googleが考える「ニュース」とは何なのか?
気になるといえば、もうひとつ。このカオス時代にGoogleニュースはどのように「ニュース」を定義しているのだろうか。
Googleニュース日本版は、公式サイトの説明によると610以上のニュースソースから記事を検索しているという(正確な数や、ニュースソースのリストは公表されていない)。もし自分の運営するサイトが「ニュースサイト」だと思えば、Googleニュースへの登録を申請できるが、Googleの審査を受けなければならない。これはYahoo!カテゴリーのサイト登録と似ているのが少々皮肉で、Yahoo!のやり方にも少しは学ぶところがあったということになる。
「政治的観点やイデオロギーに関係なく記事が分類」されている――。Googleはそう謳う。たしかにニュースを分類するのは公平無私な自動プログラムかもしれないが、それ以前に「どれがニュースか」を決めるのはGoogleの見えない誰かである。もしかしたら、審査も自動システム化されているかもしれない。だが、本当にそれは可能だろうか。ニュースをパロディにするような人気の「ネタ」サイトがあったとして、コンピュータはただしく判断できるのだろうか、と考えるとけっこう疑問だ。
ニュースサイトの運営者(担当者)は、「登録」の反対に、記事を「削除」することもできる。今後一切、記事は載せてくれるなよと、「脱退」という強硬な手段にでることも可能だ。Googleのウェブ検索では、法的要請によって「検索結果を除外」したことぐらいはわかるのだが、もしそうしたことが現状の「ニュース」で起きても、見る側にはわからないのではないだろうか。
「自動」といっても、ジュースの自動販売機のように簡単には片付かなそうな要素もあり、そこらへんがよくわからないのは、Googleニュースのすこし気になる部分だ。
虎古田