先日、厚労省が発表した統計によれば、2008年の出生率は1.37で、3年連続で増えているのだそうだ。少子化の基本構造は変わっていないが、人数が多い団塊ジュニア世代(35~38歳)の女性の出生数が増加したため、全体の出生率も上がったのだ。その背景には、晩婚・晩産化という当世の事情もある。
産婦人科の数がどんどん少なくなっている
私自身の周りでも、20代はバリバリ働いて、30代になって結婚、そして出産という友人が何人もいる。実は、わたしもその一人だ。
これまで出産の環境について深く考えたことはなかったが、自分が妊娠してみて初めて「都会で子どもを生むことの大変さ」を実感した。肝心の"産婦人科医"や"産む場所"が少なくなってしまっているのだ。
1984年には1万2181人いた産婦人科医は、2008年までの約25年でから15%も減少している。分娩を取り扱う一般病院の数も、1996年から2005年の約10年間で23%も減っている。少子化の影響はもちろんのこと、お産にともなう訴訟などのリスクが高まったせいで、産科を止めて婦人科だけを標榜する無床診療所が増えているのだそうだ。
私の住んでいる地域でも駅の近くに婦人科は10件以上あるが、分娩ができる場所、つまり産婦人科は2件しかない。