GoogleやYoutubeなどネットの新しい潮流は米国から発生することが多いが、「ネットとジャーナリズム」というテーマでも、米国での動向に注目する必要がある。 「メディアと文化」について研究している学習院大学の遠藤薫教授は、一戸信哉・敬和学園大学准教授がTwiiter中継した情報通信学会の研究発表で、海外における「ネットとジャーナリズムの関係」について説明した。
>>新聞社によるコピペや誤報が横行するのはなぜか?――情報通信学会レポート(上)
大統領選挙に影響を与えたインターネットの動き
ここにも「ツダラー」が一人。情報通信学会のセッションをTwitter中継した一戸信哉・敬和学園大学准教授
遠藤教授は2004年と2008年の米大統領選挙で、インターネット上の動きが影響を与えたと語る。ネットでの選挙運動が自由な米国ならでは現象ともいえるが、「ネット選挙解禁」の機運が盛り上がりつつある日本でも参考になる話だ。
遠藤: 社会政治のさまざまな場面でのネット利用。04年大統領選挙がすでに「ネット選挙」だった。Boingboing, Daily Kosなど。
遠藤: 問題点。ジャーナリストとしての担保が何もないので、一次情報が困難。質の保証がなく、なりすましも可能。情報が過多になって、一般の人にはほとんど理解できない状況になっている。
遠藤: 新たな媒体。FlickrやYoutube。ロンドン同時爆破事件(0507)で、Flickrが利用された。I'm not afraidというテーマで写真が呼びかけられ、多くの写真が集まった。Youtubeはバージニア工科大学事件で利用された。そして秋葉原無差別殺傷事件。
遠藤: 新しいジャーナリズムの萌芽。08年大統領選挙には、異なる発信者が表れている。OprahがLarry Kingショーでオバマ支持を表明した。オバマハイセンスピーチのマッシュアップ。Crush on Obamaというビデオ。マスメディアからも注目を集めた。
遠藤: だが、メディアの問題なのか。ホワイトハウスの各種サービスのアカウントの展開。iReport。CNNがFacebookと提携して、一般投稿動画を受け付けるサイト。スーザンボイルの事例。単独のメディアでは「うねり」は起こらなかった。これが間メディア社会の特徴。
遠藤: 1つのサービスについて述べるというよりは、全体を見なければならない。社会を映すものとしてのメディア、ジャーナリズムの役割が見失われていないか。マクネアは、ジャーナリズムには、競争パラダイムと支配ジャーナリズムがあるという。
遠藤: 支配ジャーナリズム→支配パラダイム