その3「ゲーム系SNSでは友達招待の仕組みをうまく使え!」
――ウノウ社長・山田進太郎氏
「ウノウでは、『まちつく!』というケータイで自分の町を育てるゲームを提供している。自分の町の掲示板でコミュニケーションするほど、早く町を育てることができるということで、ソーシャル要素が入っているのが特徴。基本的に無料だが、有料部分もアイテム課金という形で取り入れている。2009年5月リリースで、現在のユーザーは1万3000人ぐらい。
ゲームのアイテム課金は、自分で運営してみると非常に面白い。実際やってみないと分からないことがたくさんあったので、6つほど学んだことを紹介したい。
1つ目は、「ポイント=お金」にしないということ。たとえば、グリーの「きせかえジュエル」という仕組みは、2100円で購入するとアバターの上に宝石が表示されるものだが、さらにオマケゴールド(G)が2000Gもらえるようになっており、「ポイント=お金」という単純な仕組みではない。欧米のソーシャルゲームはポイントをお金で買う仕組みが主流だが、この分野に関しては日本のほうが進んでいると思う。
2つ目は、消費パターンを知ることが重要だということ。 (1)ポイント購入(2)サイト内で自慢できるアイテム(3)サイト内で有利になるアイテム(4)時間短縮(5)友達へのギフトといったものが考えられるが、これだけではないはず。もっと消費パターンを知ることで、価値を作っていくことができる。
3つ目は、長く楽しめるようにすること。売り切りのパッケージゲームと違い、ケータイゲームでアイテム課金をするためには長時間楽しんでもらうことが必要。『毎日少しずつでもこれだけ長く遊んでいるんだから、お金を使ってもいい』と思ってもらうようにする。
4つ目は、友達招待を有効に使うこと。ゲーム系SNSでは、招待者にアイテムやポイントをプレゼントするのは非常に有効な手段。そして、ポイントよりもアイテムのほうが圧倒的に価値が高い。(人から人へクチコミで広がっていく)バイラル性はすごく重要な仕組みなので、今後はミクシィアプリのバイラル性にも注目していきたい。
5つ目は、スポンサーサイト登録をうまく使うこと。これは、スポンサーサイトに登録するとポイントなどが獲得できる仕組みで、ケータイサイトではほぼすべてのサービスが用意している。スポンサー登録が有効なのは、300ポイントに300円払うぐらいなら、300円のサイトに登録して300ポイントをもらおうという思考が働くからだと考えている。
6つ目は、『調整!調整!調整!』。ゲーム内は小さな世界なので、日々ユーザー動向をチェックして、ポイントやアイテムの流通量をコントロールしていく必要がある。ゲームマスターのセンスがすごい重要。また、できるだけ早く始めたほうが有利だ」