以前のできコツでも書いたように、私はブランド品を大切に使っていて、普段着ているスーツは(定価が)高い物ばかりです。一方で、格安衣料店ともいわれるユニクロの商品も愛用しています。値段の割には丈夫で、物持ちが良いのです。4足1000円のユニクロソックスを、某ブランドの1足1000円のソックスと履き比べてみましたが、ブランド品の方が先にダメになってしまいました。凡人は「ユニクロ人材」を目指しましょう。
若いうちは「お買い得」といわれるチャンスが多い
私が前職の会社に入社して3ヶ月位経ったころ、上司からこう言われました。
「いやあ、人材紹介会社に払ったあの手数料で、野崎君を採れたのは安かったな」
私は当時、紹介予定派遣で入社したのですが、この言葉を聞いたとき、とても嬉しかったことを覚えています。最高の褒め言葉だと思いました。
人材紹介会社に払う手数料は、年収の約30%です。当時の私のベース(年収)が高くなかったこともあるでしょうが、それでも採用するに当たっては、それなりの金額を支払うわけですから、会社にとっては大きなコストです。
これだけのモノが、こんな値段で買えたことはなかった。これは割安だな。――こう言われるのが、まさに「お買い得人材」「ユニクロ人材」の醍醐味です。
いくら年功序列の限界が見えたとしても、その人材が家族持ちであれば、生活給の問題を完全に外すことはできません。その意味では、しがらみのない若いうちほど、会社から見て「お買い得人材」になれるチャンスが多いといえます。
まずは身近な「問題点」を発見して「解決策」まで考えてみよう
「お買い得人材」になれば、仕事を通じてさまざまな経験を得ることができます。幸い、われわれ凡人は、いかにもできるヤツのように期待されているわけではありません。だから、良い意味で期待を裏切るような働きをすれば、印象はグッとよくなります。
そんなに力む必要はありません。もともと期待されていないのですから。ハードルは低いのです。何かを企画して提案したり、いま関わっている仕事の身近な問題点を発見して、解決策まで考えれば十分で、周囲は驚くのではないでしょうか。「そんなことできない」とか「やっても無駄」なんていうことは、凡人という貴重な機会を逸していることになります。
もちろん、できるヤツが当たり前にやっていることを、凡人が成し遂げることは簡単ではありません。しかし、稚拙でも自分の頭で考えることを続けていれば、周囲の目は少しずつ変わっていきます。
私は多くの会社の人事部の方と話をしてきましたが、特に最近共通して求められている人材は「自ら考え行動できる人」です。会社にとって都合のいい人ではありますが、私はこのような人材を「自立型人材」と呼んで、その育成方法について考えているところです。
野崎大輔