いまだに後を絶たない「振り込め詐欺」。電話、メールともにケータイが主戦場で、アングラに潜む連中の「シノギ」となっている、とも指摘されています。
振り込め詐欺を行う際の基礎ツールとなるのが名簿です。先日、この名簿にまつわる話を聞く機会がありました。
同窓会名簿は「振り込め詐欺」や「架空請求」にも使われる
使われる名簿には、いくつもの種類があります。
これまでにリフォームなどの詐欺にひっかかったことのある人リストや、闇金融で融資を受けたことがある人リストなどは、マスコミでの報道でも有名なところです。
加えて、最近注目されているのが「同窓会名簿」。
フルネームや生年月日に加え、連絡先として実家の固定電話番号、ケータイの番号やメアドまでもが書かれていることも多いため、振り込め詐欺に利用するには絶好なのだとか。
本人に直接、出会い系サイトやエロサイトのサービサーを騙った架空の料金請求もできるし、実家らしき連絡先が記されていれば、親に対して「○○さんの友人ですが」と本名を入れ込んで信憑性を高めたうえで、「事故に遭った」「連帯保証人になった」などとカマをかけることもできるというわけです。
ネットの問題は「実名化」すれば解決するものではない
日本のネット利用人口9091万人のうち、82%超がケータイやPHSなどモバイル端末からのアクセスであるという実態からすれば、同窓会の連絡先にケータイを指定するのも無理はありません。
そういえば、元暴力団組長だったとされる人物がかつて関わっていた大手同窓会SNSが突然運営を停止し、その個人情報の行方が懸念されています。
匿名による「ネットの闇」が問題視されていますが、通信の秘密と個人情報の犯罪利用、それにこの国における情報セキュリティに対する意識レベルの低さを考えれば、ネットやケータイを使う際に実名化さえすりゃいいというのも短絡に過ぎる気がします。
ケータイの番号やメアドは重要な個人情報であるとともに、悪人からすれば、絶好の犯罪ツールです。管理には十分に気をつけたいですね。
もちろん、ケータイそのものも個人情報の塊です。あまりゾンザイに扱わないようにしましょう。
井上トシユキ