近年、仕事中の服装は多様化が進み、男女ともにカジュアル化が相当に進んでいる。その一方で、会社で決められた「制服」や「ユニフォーム」について肯定的な意見をもつ人が6割近くもいることが調査結果で分かった。
制服を支持する理由は「毎日服を選ばなくていいから」
ネットリサーチのアイシェアは2009年6月2日、会社の制服(ユニフォーム)についてのアンケート結果を発表した。20代~40代の男女605人に、インターネット上で質問した結果をまとめたものだ。
それによると、仕事をするときには会社で決められた制服(ユニフォーム)が「あるほうがいい」と回答した人は、全体の25.3%。「どちらかというとあるほうがいい」と回答した人(32.9%)を加えると、58.2%が制服を支持していることになる。制服には「作業着」などのユニフォームも含むと思われるが、仕事中の服装が多様化している現状から見ると、支持率は意外に高く思える。
男女別で見ると、制服の支持率は女性の方が高く、61.5%。年代別では30代がもっとも高く、62.1%となっている。「制服がある職場に勤めたことがある」人の支持率も71.6%と高く、「制服経験」のない人の支持率37.8%を大きく上回った。
制服を支持する理由は、1位が「毎日服を選ばなくていいから」で79.3%。2位は「仕事とプライベートを分けられるから」が48.6%だった。「職場で団体意識が生まれるから」(男性で26.2%)、「制服が好きだから」(20代で9.4%)という理由もあった。
一方、「制服がないほうがいい」「どちらかというとないほうがいい」と回答した人は、全体で41.9%。「ないほうがいい」と強く不支持を表明している率は40代がもっとも高く、17.6%だった。不支持の理由は「着替えが面倒だから」が1位で、支持しない女性の51.9%を占めた。
会社の制服について、都内の出版社に勤める大倉みどりさん(40代前半、仮名)は、体験をこう振り返る。
「私が入社したときには、編集部以外の女子社員にはグレーの制服が与えられていて、編集部の子だけがオシャレできていいなあ、と思っていました。だから入社5年くらいして制服が廃止されたときには、開放感がありましたね。でも急に派手な格好をする勇気もなく、会社の更衣室で地味なスーツに着替えたりしていました。最近、銀行の受付さんとかが、制服にカラフルなブラウスを合わせているのを見ると、制服でも上手に個性が出せていて、いいなと思います」