オーマイニュースはなぜ挫折したか 「敗軍の将と兵」が語った1万字(中)

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市民記者対応に時間がかかったワケ

黒須 初めて虎ノ門の編集部に行ったとき、ドアを開けたらワーッと机があって、ワーッと人がいて、すごくびっくりした。その割には何かトラブルがあったときの対応は、全然返ってこないという印象があった。こんなにたくさん人が働いているのに、みんな何をしているのかと思った。

吉川忠行・元編集部員
吉川忠行・元編集部員

朴哲鉉(パク・チョルヒョン、韓国オーマイニュースから出向) 運営システムに問題があったと思う。韓国のオーマイニュースでは、クレームとかの対応は1人か2人でやっていた。日本の編集部では、へんなコメントや記事がきたときに「どうすればいいか」と聞かれたが、僕はいつも「規約どおりにやればいい」と言っていた。韓国では規約がしっかりしていたので、一人のコメントで時間をつぶすことはなかった。

小宮山圭祐(元編集部員) 市民記者担当をしていたので、クレームがあったときにメールの返事をしていた。朴さんが言うようにルールみたいなものはまったくなくて、その場その場で一つ一つ対応していた。一日がかりで、時間をかけてやっていた。市民記者の対応について、編集部員の人と市民記者が直接やりとりしてもらえれば話が早かったが、いったん僕が中継してやりとりしていたから時間がかかった。

司会 なぜ直接、編集者と市民記者がやりとりしなかったのか?

小宮山 僕ともう一人が市民記者対応ということになっていたので……。ほかの編集部員は編集・校閲がメインで、仕事の振り分けをしていた。

吉川 オーマイニュースは部員間の意思疎通がちゃんととれていない会社だった。市民記者の問い合わせ対応だけでなく、サイトリニューアルのときもそうだった。コミュニケーションしているようで、肝心なことはコミュニケーションしていないことが随所にあった。それが、オーマイニュースがちゃんと一枚岩になれなかった理由の一つだと思う。

司会 勢さんや黒須さんの記事にコメントがきたことは?

 コメントが来たことはあるが、励みになるコメントが多くて、やりがいを感じた。逆に中傷を書かれると正直ショックで、自分なりに落ち込むこともあった。

黒須 結構くだらないものを書いていたこともあるので、「馬鹿じゃないの」というコメントもあったが、自覚が十分あったので「そうだよねえ」と思っていた。対応に困るようなコメントはきていない。

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