Episode3 「プログラマーは猫みたいなものだ」

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「自分の意見がないヤツは生き残っていけない」

セレゴではWebサイトの開発のため「Ruby on Rails」という最先端のフレームワークを使っている。「Railsは大規模なサイトをスピーディーに開発するのにぴったり。今ではRailsなしの開発は考えられないね」

   三菱商事に入って6年。将来について悩んでいるブライアンに声をかけたのが、後にセレゴの社長となるエリック・ヤング(43)だった。当時、エリックは投資銀行のバンカーズ・トラストの東京支店でトレーダーをしていた。

   共通の知人を介して六本木のハンバーガーショップで出会った二人は、いずれも大学で化学を専攻していたということで意気投合。エリックが「バンカーズ・トラストに来れば、もっと自由に大きな仕事ができるぞ」と、ブライアンを誘ったのだ。

   エリックの誘いにのって外資系の金融機関に転じたブライアンは、「バンカーズ・トラストは自分にぴったりの会社だった」と語る。若い社員でも能力さえ認められれば、どんどん仕事をまかせてもらえた。社内のカルチャーも日本の伝統的企業とは異なり、社長と若手社員が自由に議論できる空気があった。

   ブライアンは金融界で7年ほど働いたのち、エリックがセレゴを興すと、創業メンバーとして加わった。年功序列ではなく実力本位で評価され、自由に意見が言えるバンカーズ・トラストの社風は、いまのセレゴにも受け継がれている。

「能力がある若手がいればどんどん責任を与えて、『自分でやりなさい、自分で決めなさい』と指示するようにしている。それから『自分が何を考えているかはっきり言いなさい』と伝えている。だから、意見のないヤツはここでは生き残っていけない」
米国出身の実業家エリック・ヤングとアンドリュー・スミス・ルイスが2000年、東京に設立したベンチャー企業。「人の学習メカニズムを科学的に解明し、学習効率を飛躍的に高める」ことをミッションに、IT技術を生かした独自の学習アプリケーションを開発。07年10月に開設した無料の語学学習サイト「iKnow!」は1年半で40万人以上の会員を集める人気サイトに成長した。09年3月にはサイト名を「iKnow!」から「smart.fm」に変更。語学だけではない、あらゆる分野の知識を学べる総合学習サイトとして新たなスタートを切った。
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