社会保険労務士・野崎大輔の視点
「現場の抵抗に臆せず啓蒙活動を進めよう」
仕事のトラブルで精神的に追いつめられたり、部下から「逆パワハラ」を受けたりして自殺したケースについて、労災と認める判決が立て続けに出ました。会社の責任が問われる範囲も拡大しているといえます。万一問題が起きた時に備えて、会社は「予防措置を取っていた」と主張できる根拠作りを準備しておきましょう。
会社のルールや規程を整備し、社員への啓蒙をすることが重要です。問題となる言動をする社員には、かつての常識が通用しないことを認識してもらいましょう。男女間・世代間の認識のズレが、メンタルヘルスやハラスメントの発生原因になるのです。現場の抵抗に遭うかもしれませんが、会社として方針の啓蒙や研修を根気強く行って、新しい常識を伝えることが重要です。
もちろん、問題の発生を抑制することは、会社のリスクマネジメントとしてだけではなく、当事者たちにとって不幸なトラブルを未然に防ぐという意味でも、大きな意義があるのです。臆せず、自信を持って取り組むに値する仕事だと思います。