電車内で通話する「中国人」 遭遇したらどうすべきか

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「最近、家の近所に外国人、特に中国系の外人が多くなったんです。日常生活でトラブルがあるわけではないんですが、ケータイの使い方を巡っては、2年ほど前にちょっとモメたことがありまして......」

   東京都内の会社に郊外から通う会社員のAさんが、ため息をつきながら話しました。

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たしなめるように睨んだらエライ目に......

   技術職のAさんは、フレックスタイム出社の対象となっていて、週に2、3回は通勤ラッシュを外した時間帯に電車に乗ります。

「それが、ちょうど中国人が語学学校や勤め先の飲食店などに通う時間と同じなんです。彼らって、電車内でも平気で大きな声でケータイで通話するんですよね」

   たしかに、香港や上海などでは、電車内や駅の構内でも大声で通話している姿は珍しくないと聞いたことがあります。

   ところが、日本では『車内での通話はお控えください』が常識です。

「一度、大きな声で通話する中国人と隣り合わせてしまって、ちょっとたしなめるように睨んだんです。そうしたら、肩口を掴まれてすごい勢いで文句を言われちゃって......でも、中国語がわかるはずもないじゃないですか」

   Aさんは、通話していた中国人とその仲間と思われる2~3人によって、次の駅で降ろされてしまいました。降りた駅でも、中国人はAさんを囲むようにして早口で文句を言い続けたそうです。

国際化が招く「常識の衝突」

「そのうち、駅員と警察の人が来て、事情を説明してほどなく解放されたんですけど......。いや、車内の乗り合わせた人や駅で電車を待っていた人が助けに入ってくれなかったのは、それはしょうがないと思ってるんです。だって、何でモメているのかわからなかったでしょうし、中国語で何をまくしたてているのか、さっぱりわからなかったでしょうから」
「それよりも、国際化するってことは、日常の細々した習慣や常識の衝突があるってことを目の当たりにしたことのショックのほうが大きかった。しかも、言葉が通じないところで、感情だけ露にされてしまうんですから」

   こうした「衝突」は、何も東京に限ったことでもありません。なにしろ、政府は今後、積極的に外国人の労働者や留学生を受け入れるとしていますし、すでに民間レベルでの外国人の雇用は地方でも進んでいます。

   これまで、我が国では、単一民族、同一習慣だと思い込んできた面がありました。しかし、「日本国の国際化」は、もはや近未来の現実です。

   そこで起こるであろう「日常の細々した習慣や常識の衝突」について、さて、みなさんはどのようにお考えですか?

井上トシユキ

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井上トシユキ
1964年、京都市出身。同志社大学文学部卒業(1989)。会社員を経て、1998年よりジャーナリスト、ライター。東海テレビ「ぴーかんテレビ」金曜日コメンテーター。著書は「カネと野望のインターネット10年史 IT革命の裏を紐解く」(扶桑社新書)、「2ちゃんねる宣言 挑発するメディア」(文藝春秋)など。
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