最近の「新入社員」の行動が理解できません!

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   最近の新入社員は豊かな社会で生まれ育ったせいか、先輩社員から見れば「甘すぎる」と感じられる人が多いようだ。これは世代間ギャップなのか、最近の若者が異常なのか。

   ある会社の人事担当者は「目に余る例も増えている」という声を聞いているという。

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遅刻をとがめたら泣き出した

――大手食品会社の人事担当です。これまで若い社員に対して偏見を持たないようにしてきたのですが、ここ最近、目に余る例が出ています。もちろん、夢と希望に燃えて一生懸命働いてくれている新入社員も多いのですが・・・。
   当社では毎年4月、地方出身者については入社式の1週間ほど前から独身寮に入ってもらい、入社の準備をさせています。ところが今年は、この中から2人の入社拒否者が出ました。1人は「うつになった」と言って入社式直前に辞めました。もう1人は入社式に顔を見せないので連絡を取ったところ、「やっぱり入社しません」という返事が。すでに、独身寮から無断で引越しを済ませた後でした。
   こんなことがあったので、情報システム部から「来年は入社式で入社を確認するまでは、新入社員のデータをシステムに登録しないでくれ」と釘をさされました。人事情報や給与情報を修正するのが大変だからという理由なのですが、これほど多くのドタキャン率があるということで、まったく予断を許しません。
   配属先の管理職たちからも、こんなグチが人事に届いています。

(1)遅刻をしたのでとがめたら、泣き出して収拾がつかなくなった
(2)挨拶しろと言ったら「そういうことがストレスの原因になるんです」と返された
(3)先輩に同行した客先で、居眠りをしてお客さんに叱られた
(4)朝指示された作業が午前中に終わった際、夕方に上司が帰社するまで、半日何もしないで席に座っていた。どうすべきだったか問いかけたが、「指示がなかった」と悪びれる様子もない
   このままでは、私も「最近の若者は異常だ」という考え方に同調せざるを得ません。それとも、何か上手な対応方法を取れば、社会人の自覚を持ってもらえるものなのでしょうか――

尾崎 健一(おざき・けんいち)
臨床心理士、シニア産業カウンセラー。コンピュータ会社勤務後、早稲田大学大学院で臨床心理学を学ぶ。クリニックの心理相談室、外資系企業の人事部、EAP(従業員支援プログラム)会社勤務を経て2007年に独立。株式会社ライフワーク・ストレスアカデミーを設立し、メンタルヘルスの仕組みづくりや人事労務問題のコンサルティングを行っている。単著に『職場でうつの人と上手に接するヒント』(TAC出版)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。

野崎 大輔(のざき・だいすけ)

特定社会保険労務士、Hunt&Company社会保険労務士事務所代表。フリーター、上場企業の人事部勤務などを経て、2008年8月独立。企業の人事部を対象に「自分の頭で考え、モチベーションを高め、行動する」自律型人材の育成を支援し、社員が自発的に行動する組織作りに注力している。一方で労使トラブルの解決も行っている。単著に『できコツ 凡人ができるヤツと思い込まれる50の行動戦略』(講談社)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。
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