かつては私も「シュガー社員」だった
若さも愛嬌も年齢と共に失われ、自分に残っているのは「口ばっかり達者で生意気な女だ」という評価だけ。私は私で「誰も助けてくれない。自分はこんな生き方をしたかったわけじゃない・・・」と夜も眠れず、挫折感いっぱいの日々を送っていました。
そんな矢先、あまりにも悲壮感漂う私を見た知人から「社会保険労務士という資格が人気あるみたいだよ」と教わり、その時自分の中で何かが弾けたのです。
「この資格をとれば、違う人生が歩けるかもしれない!」
単純な動機ですが、思い立ったら即行動に移す私は、アルバイトをしながら必死に勉強し、試験に一発合格することができました。勉強を始めてから8カ月目のできごとでした。全ては「今の生活から抜け出したい」、それだけでした。合格後さっそく開業し、今までの不幸を全て吹き飛ばして現在に至っています。
今振り返ってみれば、離婚してから社会保険労務士として開業するまでの10年間、何もかもうまくいかなかったのは、私にも「シュガー社員」の素質があったからだと思います。書籍や連載コラムで書いてきたシュガー社員は、現実の若者たちの姿であるのと同時に、かつての私の姿でもありました。
「自分がこうなったのは○○が悪い」
「自分はこんなに一生懸命なのに誰も評価してくれない」
そんな不満の塊で仕事に向かっていて、いい成果が出せるわけがありません。上司や同僚への思いやりも欠けていました。「自分が一番不幸で、すべて周りが悪い」と考えていたことが、周りと衝突する原因だったのだと思います。