ケータイのおかげで「学校のいじめ」がなくなった!

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学校の先生とメールアドレスを交換するのは珍しくない

   実は学校においても変わりありません。

   子供たちによれば、学校の先生とメールアドレスを交換するのは珍しいことではないそうです。成長期にある子供ならではの、親には言えない悩み事や勉強の相談にケータイは欠かせないというのです(これが悪い方へ出ると、教師によるセクハラや淫行に繋がります)。

   さらに、実際に聞いた話には、ケータイによっていじめが解決したというケースもありました。

   いじめられている子供が思い切ってケータイのメールで先生に相談。先生は極秘裏にいじめている側の生徒に対し、個別にケータイメールでそれとなく事実確認を行って諭しつつ、機が熟したところでクラス討議にいじめ問題を取り上げ、見事にいじめを一掃した……

   子供とケータイについては、負の部分ばかりが取り上げられがちですが、コミュニケーション・ツールである以上、命綱としての機能も当然ながらあるのです。

   そもそも、ケータイを使って子供を悪の道に陥れるのは、教師によるセクハラや出会い系サイトの例を見てもわかるように、ほとんどの場合が大人です。最近、新たに問題化しつつある「ケータイ鬼ごっこ」も、元を正せば大人が考えたもの。

   ならば、ケータイのポジティブな使い方を子供に見せていくのも、また大人の責務なのではないでしょうか。

   ケータイがこの世からなくなるということは、近未来においてはありえません。いったん撤去され、廃棄された公衆電話を戻せなどというのは、通信回線(無線回線)が社会インフラである限りナンセンスな議論です。

   大人が逃げていては、子供は迷うばかりです。

井上トシユキ

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井上トシユキ
1964年、京都市出身。同志社大学文学部卒業(1989)。会社員を経て、1998年よりジャーナリスト、ライター。東海テレビ「ぴーかんテレビ」金曜日コメンテーター。著書は「カネと野望のインターネット10年史 IT革命の裏を紐解く」(扶桑社新書)、「2ちゃんねる宣言 挑発するメディア」(文藝春秋)など。
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