社会保険労務士・野崎大輔の視点
「できれば辞めてもらったほうがいい」
このようなケースの大半は、問題社員を放置したり、誤った指導をして、問題が大きくなってから人事部に持ち込まれることが多いものです。各部署の所属長には、問題が大きくなる前に人事部と情報を共有するよう依頼し、早期の対応を図ることが重要です。
ご相談のような社員を放置しておくと、他の社員のモチベーションや生産性が下がるので、できれば会社を辞めてもらったほうがいいでしょう。本人も、周囲から相手にされずに悶々としているより、新たな環境で心機一転した方がよいかもしれません。
とはいえ、そう簡単に辞めさせることはできません。解雇で揉めた場合は、客観的な判断材料として「会社が改善努力をしたかどうか」が問題になります。適切な異動先があれば配置転換をして、本人に再起のチャンスを与えることも考えられますが、それができない場合には、注意・指導を繰り返し行うことが必要です。その際、注意・指導の内容を文書化し、証拠として残しておくことが大切です。
(本コラムについて)
臨床心理士の尾崎健一と、社会保険労務士の野崎大輔が、企業の人事部門の方々からよく受ける相談内容について、専門的見地を踏まえて回答を検討します。なお、毎回の相談事例は、特定の相談そのままの内容ではありませんので、ご了承ください。