<できコツ22>凡人は「ワーク・ライフ・アンバランス」から始めよう

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   「ワーク・ライフ・バランス」の重要性が注目されるようになりました。遊び好きの私としては、大賛成の傾向です。しかし、「ライフ」を充実させるためには、まずは「ワーク」をしっかりこなして、一人前の社会人になる必要があるのも事実です。凡人は、まず仕事漬けの日々を経験して、一皮向けることを目指しましょう。

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一人前になるには「仕事漬け」の経験も必要

   ワーク・ライフ・バランスのねらいは、仕事とライフ(プライベート)を調和させて、心身ともに健全な状態を保ち、好循環を生み出すことです。しかし残念ながら、この意味を誤解している人は少なくありません。「プライベートを充実させること」だけが、ワーク・ライフ・バランスではないのです。

   私が新卒の面接担当だったとき、何人かに1人は、熱心にこう尋ねる学生がいました。

   「御社のワーク・ライフ・バランスは、どうなっていますか?」

   どういう意味かと尋ねると、「定時に帰れますか」「残業はどのくらいあるんですか」という質問が返ってきます。入社前から、この点にばかり興味を示す学生を見ると、「仕事をしに来るつもりがあるのか?」と疑問を感じてしまうのが正直なところです。

   この学生の考えるワーク・ライフ・バランスからは、「仕事」の部分が抜け落ちています。最初から「デキる人」は別として、凡人は能力が高くないのですから、最初のうちは何をするにしても時間がかかります。仕事の量や種類をこなしていく中で、能力が磨かれ、効率化の方法が分かってきます。

   ものごとは一定の期間、1つのことに集中することでマスターできるものです。ワーク・ライフ・バランスを否定するつもりは全くありませんが、仕事漬けの経験もなく、一人前に鍛えられていない人が主張することでもなかろうと思います。

野崎大輔(のざき・だいすけ)
フリーター、上場企業の人事部勤務などを経て、2008年8月独立。「企業を活性化させるチェンジ・エージェント」を掲げ、東京・四谷で人事コンサルタントとして活動中。野崎人事労務管理事務所代表、特定社会保険労務士。mixiでコミュニティ「できるヤツと思わせる20のコツ」を運営。09年4月からJ-CASTで「ヨソでは言えない社内トラブル」を共同執筆。
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