ネット時代のケンカのお作法――5つのポイント

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   「お前なんて役立たずだ!」

と公衆の面前でケンカを売られようものなら、誰しも気分はよろしくないものですし、反論の一つや二つでもしたくなるのが人間の常です。さすがにいい大人になると、そんな言い方をされることは、あまりありませんが。

   ところが、昨年の夏、私はそのような体験をしました。「ライフネット生命は役にも立たない」というタイトルのブログ記事が書かれ、ネット上で話題になったのです。

>>大切なことは意外とシンプル・記事一覧

「我が子」への批判記事にどう反論するか、じっくり考えた

「ライフネット生命が別に安くないし、役にも立たない件について」と題された反論記事はネットで大きな反響を呼び、100件以上のはてなブックマークがついた
「ライフネット生命が別に安くないし、役にも立たない件について」と題された反論記事はネットで大きな反響を呼び、100件以上のはてなブックマークがついた

   ライフネット生命は、社長の出口と一緒に2年がかりで設立の準備を進め、去年営業を始めたばかりの会社。自分がゼロから作った会社というのは、自分のアイデンティティーそのもの、ないし自分の子どものようなものであり、それを面と向かって「役立たず」と言われることは、顔面パンチを食らったような気分でした。

   一個人のブログなので目くじら立てるべきではないのかも知れませんが、戦後初の独立系生命保険会社として、我々がネット上でちょっと話題になっていたこともあり、瞬く間に400近いはてなブックマークを集めました。

   生命保険会社の副社長という立場上、ポーカーフェイスで平静を装いつつも、どのように反撃をしようか、じっくり考えていました。

   結果的には、7か月経過した頃に自分のブログに反論記事を書いたのですが、その過程で、「ネット時代のケンカのやり方」ということについて考えさせられました。このことはブログで一度触れたことがありますが、ブログだけでなく、メールでのやり取りにも適用できそうなので、改めてポイントをまとめてみたいと思います。

岩瀬大輔(いわせ・だいすけ)
ライフネット生命保険・代表取締役副社長。1976年生まれ。幼少期をイギリスで過ごしたのち、開成高校を経て、東京大学法学部卒業。在学中に司法試験合格。ボストン・コンサルティング・グループ、リップルウッド・ホールディングスを経て、ハーバード経営大学院(HBS)に留学。日本人で4人目となる上位5%の優秀な成績(ベイカー・スカラー)を修めた。帰国後、元日本生命の出口治明氏と二人三脚で、今までの常識を打ち破る新しい生保会社「ライフネット生命保険」を立ち上げ、2008年5月に営業を開始した。近著に『東大×ハーバードの岩瀬式!加速勉強法 』(大和書房)、『超凡思考』(幻冬舎、伊藤真氏との共著)。
「生活者にとって便利でわかりやすく、高品質な生命保険サービスを提供する」という理念のもと、インターネットを主要チャネルとして、新しい生命保険を販売している。既存の保険会社に頼らない「独立系の生命保険会社」として戦後初めて免許を取得し、2008年5月に営業を開始。業界のタブーとされた「保険料の原価」を開示するなど新しい試みに挑戦している。
直球勝負の会社―戦後初の独立系の生命保険会社はこうして生まれた
直球勝負の会社―戦後初の独立系の生命保険会社はこうして生まれた出口 治明

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