「不機嫌な職場」を変えるのは君なのだ

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   ギスギスした職場は居心地が悪いし、なによりコミュニケーションが円滑でないので効率が悪い。誰もがそう分かっているのに、お互いが意地を張って会社や上司を目の敵にしている。そんな風にして1日の大半の時間を費やす「不機嫌な職場」は、誰の手によって変えることができるのだろうか。

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職場活性化を担当する「部署」は存在しない

   これまでいくつかの職場活性化策を紹介してきたが、それは会社や管理職がやればいいこと、自分には関係ないと考える人がいるかもしれない。しかし「不機嫌な職場」を育てているのは、「自分は自分の仕事をこなすだけ」「会社に協力したら負けだ」などと意固地になっているメンバー自身でもある。

   組織の成果を伸ばしたければ、「与えられた仕事をして給料をもらっていればいい」という考えでは難しい。会社が「人間の集団」である限り、力を合わせて目標を達成していくためには、感情を伴ったコミュニケーションが必要だ。もちろん職場にはいろいろなタイプがあるが、静かに燃える社員が多い職場にも、それに相応しい方策が必ずあると思う。

   結局、ほとんどの会社の場合、職場活性化を担当する部署は存在しない。中間管理職層にしても、課題感を持ってはいても直面する課題が優先されている。景気がよければ業績が上がり、それだけで職場が元気になるが、いまはそうもいかない。

   そこで提案なのだが、もう他力本願はやめよう。結局、職場の空気は誰がつくってくれるものでもなく、そこに所属しているメンバー一人ひとりによって構成されているものなのだ。ギスギスした職場環境で平気な人なんて、いるはずがない。

   「会社が――」「上司が――」という不満や、許しがたい想いもあるだろう。だが、それはそれとして、自分たちが一日のほとんどを過ごす職場環境を、自分たちの手で少しずつでも理想に近いものに変えていく動きをしようではないか。

大塚寿(おおつか・ひさし)
1962年群馬県生まれ。中央大学経済学部卒業後、株式会社リクルート入社。ヤマメの養殖で留学資金をつくり、1991年5月より渡米、アメリカ国際経営大学院(サンダーバード校)にてMBA(国際経営学修士号)を取得。現在、マーケティング・コンサルティングやオーダーメイド企業研修を行うエマメイコーポレーション代表取締役。『職場活性化の「すごい!」手法』(PHPビジネス新書)など、著書多数。
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